家のメンテナンス方法と時期、修繕費用の目安も紹介

家を長くきれいに保つためのメンテナンス方法について説明します。どの箇所をメンテナンスし、何を修繕すればよいのか、修繕にかかる費用や時期も合わせて解説します。これから家のメンテナンスを行う人が参考にできる内容です。
目次

一戸建てに長く住んでいると、老朽化や風雨によってあちこちが傷み始めるのは当然のことです。
だからこそ、定期的にメンテナンスをして必要な修繕を施さなくてはなりません。
正しいメンテナンス方法で家を守り、少しでも長く住めるようにしましょう。

 

家のメンテナンスは住宅を長持ちさせるために重要!その理由とは

そもそも、なぜ家のメンテナンスが大切なのでしょうか。
それには「住宅の寿命」が関係しています。
特に、外壁や屋根は風雨に晒されたり直射日光に当たったりするため、劣化が激しい箇所だといえるでしょう。
住宅を長持ちさせるためには、家のそれぞれの箇所にメンテナンスが必要です。

メンテナンスを行うメリットとして、長期間快適に暮らせるようになることが挙げられます。
住宅は、一生に一度の大きな買い物です。
高価な資産である自宅の寿命をできるだけ延ばし、毎日居心地よく暮らしたいものです。

次に、「資産価値の維持」が挙げられます。
通常、住宅の価値は建築年数とコンディションによって左右されます。
建築年数には抗えませんが、いくら年数を経てもメンテナンスがしっかり行われており、コンディションが良好であれば、資産価値が大幅には下落しないケースも多々あります。
もしも建築年数が古く、あちこち劣化している家なら、なかなか買い手がつきにくく必然的に売値が安くなってしまいます。
メンテナンスをしっかり行うことで、資産価値の下落を予防できます。

家のメンテナンスで特に重要なのは外壁・屋根の塗装

快適な家に住み続けるため、外壁と屋根のメンテナンスは重要です。
これらの箇所には「外気から家を守る」という役割があるからです。
雨や風だけでなく、台風などの大きな天災からも、壁と屋根は住人を守ってくれます。
ただ、それだけにダメージが蓄積しやすいといえます。
見た目はそれほど変わらなくても、内側からじわじわと衰えていくケースは少なくありません。

その代表例が「耐水性」です。
本来なら壁や屋根は雨や湿気を妨げ、室内の空気を正常に保ってくれます。
しかし、長年放置していると建築資材の中に湿気がたまり、機能が低下してしまいます。
少しでも資材を長持ちさせようと、住宅には特別な塗装が施されています。
ただ、これらの塗装も永久にもつわけではありません。
年月とともに剥がれ落ちていくため、塗装の状況を見極め、必要な修繕を加えていく必要があります。

 

住宅の寿命は何年程度?耐用年数の目安を紹介

木造・鉄骨・RC造(鉄筋コンクリート)は、住宅の寿命や耐用年数の目安はそれぞれ異なります。
木造、鉄筋、鉄骨のそれぞれの耐用年数は、法定耐用年数の基準値や住宅部位別の交換周期などから算出されます。

木造

日本の一戸建ては大半が木造です。
建築の際に手間がかからず、安価で済ませられるからです。
ただ、木造住宅はそれほど耐水性が高くなく、気候の変化を敏感に反映してしまいます。
雨漏りが起こりやすく、劣化した部分に隙間ができるなどの問題も少なくありません。
そのため、木造住宅の耐用年数は「30年前後」とされてきました。
すなわち、30年経過したところで持主は別の家に引っ越しするか、根本から立て直すなど対処する必要があります。

ただ、この数字はメンテナンスを十分に行っていなかった場合に限られます。
持主が自宅を定期的に点検し、欠陥部分を迅速に修繕していれば、80年以上も持ちこたえることは珍しくありません。
劣化した設備をこまめに交換すれば、特に不快な思いをせずにすむでしょう。
また、大規模なリノベーションを施すのもひとつの方法です。
外壁や屋根はもちろん、フローリングや水回りなど、劣化しやすい箇所を新しく直していきます。
寿命が延びれば引っ越しをしたり、家を買い直したりする必要もありません。

RC造(鉄骨・鉄筋コンクリート)

木造と比較して建材が頑丈なため、RC造の住宅は寿命が長いとされています。
建造から30~90年は、リノベーションしなくても持ちこたえられるでしょう。
ただ、これらの住宅でもメンテナンスは必要です。
鉄骨や鉄筋そのものが丈夫だからといって、家に問題が生じないわけではありません。
たとえば、地盤が沈下したり、建付けが悪くなったりするような現象はどのような住宅でも起こるでしょう。

それに、RC造の耐久性も絶対ではなく、経年劣化は避けられません。
30~90年とは目安にすぎず、当然ながらもっと早く劣化していくこともあります。
メンテナンスを行わないまま暮らしていると、予定よりも早く寿命が来てしまう可能性が出てくるでしょう。

 

外壁塗装などの住宅メンテナンスは築10年から?適切なタイミングを解説

一般的に、新築から10年程度で外壁塗装などの住宅メンテナンスが必要になるといわれています。
では、その後はどれくらいのタイミングでメンテナンスをすべきなのでしょうか。
家の寿命を意識しておくと、問題を未然に防げます。

築10年程度

家を建ててから10年が経つと、最初の大掛かりなメンテナンスが必要になると言われています。
外壁や屋根といった室外に晒されている箇所は、すでにダメージが蓄積しているといえます。
具体的には、壁材やシーリング自体の劣化や剥離、色の変化などが起こり始めるタイミングです。
たとえ目立った劣化ではないにせよ、放置することで今後ますます状態がひどくなっていく可能性があります。
不安要素は、このタイミングで取り除いておくのが得策です。

そもそも「新築10年でメンテナンスをしよう」と推奨されるようになったのは、サイディング(外壁材の1種)の寿命が約10年前後だからです。
また、この時期に壁紙や床材でも劣化、変色が起こり始めます。

築20年程度

外壁や内装がさらに劣化してくるだけでなく、給湯設備や水道管、空調なども寿命を迎え始めるのが築20年あたりからです。
すなわち、家の外観、内観だけではなく、生活を維持するための設備まで劣化の様相を呈してきます。
普通に住んでいるだけなのに空気が悪かったり、蛇口をひねっても水の勢いが弱かったりするのは、この時期の特徴です。

築20年を経過したら、築10年のときと同じく外壁塗装などのメンテナンスを行いましょう。
そのうえで、全体的な外装、内装も見直していきます。
さらに、設備の機能性も細かくチェックします。
修繕すれば直るのか、工事が必要なのかを見極めていきましょう。
今後も同じ家に住み続けられるのか、判断する重要な時期だといえます。

築30年程度

築30年は、定期的なメンテナンスや修繕を経た時期です。
そのため、順調に点検がなされてきた住宅であれば、大きな不便を感じません。
メンテナンスを施すことで、この先も快適に暮らしていくことも可能です。
ただし、メンテナンスの実行度合いによっては家の快適さ・機能性には大きな差が出できます。
設備や外壁、屋根などが傷んだまま放置され、ますます住みにくくなっているケースもあるでしょう。

30年経った家は、長寿命化を本格的に考えなくてはなりません。
劣化している箇所を根本からリフォームしたり、建て替えを行ったりするタイミングです。
また、新築から年月が経っているので、生活様式や自宅の利用法などを新たに見つめ直す時期でもあります。

 

外装のメンテナンス箇所や寿命、施工内容や修繕費の目安

住宅産業協議会が公開している「住まいのメンテナンスガイド」では、メンテナンス時期や費用の目安、施工内容などが解説されています。
ここではまず、メンテナンスのポイントを項目ごとに紹介していきます。

外壁

外壁では、浸水や漏水といった被害を防ぐために、再塗装を行うのが定番です。
現時点では大丈夫でも、劣化してしまうと被害は大きくなるので先手を打つようにしましょう。

費用は、塗装で60万~80万円がかかる箇所です。
また、タイル洗浄・目地の打ち替えで5万~70万円、サイディングの打ち替えや再塗装で2万~200万円と、施工内容によって幅が大きいのも特徴です。
ただ、外壁は家の防寒や外観に関わってくる箇所なので、手抜きをせずにメンテナンスしたいところです。
これらの経費に加えて、業者に足場組みや人件費、塗装原料代などを支払わなくてはなりません。

屋根

屋根は、構造や素材によってメンテナンス費用の開きが大きい箇所です。
たとえば、粘土瓦やステンレスの張り替えなら、140万円前後です。
一方、スレート・鋼板の塗装なら60万~80万円前後で完了することも少なくありません。
専門的な技術力が必要なメンテナンスになるほど、費用は高くなる傾向があります。

さらに、防水シート増し貼りをしてもらうなら、100万~150万円前後かかります。
化粧カバーや軒天などの塗装は、30万~40万円前後が追加でかかってきます。
シーリングの打ち替えには、箇所ごとに5万~20万円ほどかかってくるため、予算と相談しながらどの程度のメンテナンスを目指すのか決めましょう。

基礎・構造体

基礎や構造体は、住宅の根幹をなす部分です。
ここが経年劣化してしまえば、全ての部分に影響が及びます。
5~10年ごとに経年劣化を点検し、定期的にメンテナンスを行うことが大事です。
メンテナンスの基本は、塗装によるコーティングで漏水・浸水被害を予防することです。
また、シロアリ対策・駆除も重要です。
木造住宅であれば、古くなった箇所にシロアリが寄生することも珍しくありません。
これらの作業には、15万~20万円前後かかります。
ちなみに、居住環境の配慮や長期利用の設備構造を成している「長期優良住宅」の場合、この限りではありません。
必要に迫られたときだけ、メンテナンスを施すようにしましょう。

バルコニー・ベランダ

重要性がそれほど高くないので、見逃しがちなのがバルコニーとベランダです。
リラックスしたり洗濯物を干したり、植木の置き場所などとして大切にしている家庭も多いでしょう。
バルコニーやベランダは、雨漏りや建材の老朽化などが起こりやすいので、メンテナンスをしっかり施したいところです。
繊維強化プラスチックを用いるFRP防水などの補修を中心に、劣化した部分を修繕していきます。
張り替えや重ね塗り、増し貼りは30万~70万円が相場です。
また、建材部品やシーリングの交換は10万~50万円前後です。

ドア・窓・サッシ・シャッターなど

ドアや窓などは、自宅と外をつなぐ大事な部分です。
ドアや窓、サッシやシャッター、網戸などは、日ごろから細かくチェックしておきましょう。
消耗品の補充も欠かせません。
メンテナンスの頻度は高く、数年おきが理想的です。
戸車などの消耗品交換は、1万円前後からあります。
ただ、ドアは15万~50万円、サッシは15万~30万円、網戸は5万~10万円、シャッターは15万~30万円が相場であり、それなりの費用は覚悟しておくべきです。

 

内装のメンテナンス箇所や寿命、施工内容や修繕費の目安

住宅産業協議会による「設備商品のメンテナンススケジュール」「住まいのメンテナンスガイド」では、壁や床などのメンテナンスも記載されています。
チェックしたうえで自宅を修繕する参考にしましょう。

壁や床

壁や床は、建材によって費用が変わる箇所です。
クロス、フローリング、畳など、使っているものによってケア方法を工夫しましょう。
ただ、いずれも1箇所ごとに1万円ほどの費用はかかってきます。総貼り替えともなれば、さらに多額の費用を用意しなくてはなりません。
ちなみに、フローリングの耐用年数は15~20年前後、クロスは10年前後、畳は裏返しで2~3年、表替えが4~5年、畳床は10~15年前後です。

水道管設備(給水・給湯管、排水管)

水道管設備は、住宅設備の中でも長持ちしやすい部分です。
上水なら30~40年、下水で40年ほど使い続けられるとされてきました。
そのため、点検や補修の間隔は5年、長くて10年でもかまいません。
その際、必要があれば高圧洗浄などを実施してメンテナンスは完了します。
点検や補修の費用は箇所ごとに1万円ほど、高圧洗浄が3~5万円ほどです。
ちなみに、水道管設備そのものの交換は30万~50万円ほどかかってきます。

キッチン回り

システムキッチン本体やレンジフード、コンロなどは5~15年を目安として交換するのが定番です。
機器のメンテナンスには、20万~120万円の費用が掛かります。
パーツによって価格の開きが大きいことが特徴で、キッチン本体なら、300万円以上することもあります。

トイレ・洗面所

一般的に、便器やタンク、洗面所の寿命は10~20年程度です。
それぞれのパーツを点検したり、交換したりするには1万~5万円かかってきます。
便器や洗面台の本体交換には、10万~30万円程度を想定しておきましょう。

お風呂回り(浴室)

普通の部屋を耐水仕様にしている在来浴室は20年、ユニットバスは15年が寿命の目安です。
ケースによっては在来浴室をユニットバスにしたり、ユニットバスを新しくしたりする大規模な工事も必要です。
各パーツや建材の補修は、5万~15万円程度かかります。
そして、大規模メンテナンスには、100万~250万円前後かかることを覚えておきましょう。

 

末永く安全に暮らすのであれば、定期的なメンテナンスは欠かせません。
特に、外壁や屋根の塗装は、家の寿命と大きく関係しています。
少しでも寿命を延ばしたいのであれば、メンテナンスのタイミングで外壁工事を実施することも視野に入れましょう。

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