
屋根塗装をいつ行えばいいのか、悩んでしまう方は少なくありません。
あなたの自宅の屋根はすでに塗り替えが必要な時期に差し掛かっているかもしれません。
ここでは、屋根塗装を放置するリスクや塗り替えに適した時期などを解説します。屋根材別の塗り替え目安時期も併せて解説します。
屋根塗装を放っておくとどうなる?
▲塗装せずに置くと屋根材にダメージが蓄積されていきます
屋根に施されている塗装を放置することで生じるリスクはいくつか挙げられますが、ひとつには雨漏りが考えられます。
塗装は屋根材を保護する役割もあるため、劣化によりその機能が失われると、雨水が屋根に浸透し建物内が浸水してしまうこともあるでしょう。
また、塗料が劣化することで屋根材が雨、外気の影響を受けやすくなると、反りやひび割れを起こす可能性があります。
このケースでも、雨漏りや屋根材の落下といったリスクを生じさせる恐れがあるのです。
本来であれば、屋根の塗り替えだけで済むはずが、屋根の下地材が雨や外気でダメージを受けると、葺き替えが必要になるなど大掛かりな工事に発展することも珍しくありません。
そうなってしまうと、当然修繕のかかる費用も高額になります。
屋根塗装の屋根材ごとの塗り替え時期
▲屋根材によってメンテナンスサイクルが異なる
屋根に使用される材料は、さまざまです。それぞれの屋根材によって特徴があり、塗装の目安時期も異なります。
ここでは、一般的な住宅に用いられる代表的な屋根材の種類と、塗装の目安時期などをご紹介します。
トタン
現在ではあまり見かけることがなくなりましたが、古い家では、トタンが屋根材として用いられていることがあります。
金属屋根の一種であり、亜鉛メッキ鋼板を使用しています。
軽量で施工しやすく、雨漏りしにくいなどのメリットがありますが、耐熱性や防音性の低さがデメリットです。
トタンの耐用年数の目安は30~60年程度ですが、経年劣化により塗膜が剥がれることで内部の金属が露出して錆びが発生すると、一気に浸食される恐れがあります。
そのため、定期的な塗り替えは必須です。目安としては、5~10年に一度の頻度で塗り替える必要があります。
スレート
一般的な住宅に使用されるスレートは、平板状のものが多い傾向があります。
軽量であるため建物に与える構造的な負担が少なく、耐震性の向上についても期待できますが、耐久性や防水性の低さがデメリットです。
スレートの耐用年数は、20~25年程度です。スレートの表面には塗装が施されていますが、劣化が進むと素材そのものにダメージが加わってしまいます。
そのため、5~10年に一度は塗り替えを含めたメンテナンスが必要です。
セメント瓦
かつて一般住宅によく用いられていたセメント瓦ですが、近年ではあまり採用されなくなりました。
セメント瓦とはその名の通りセメントで成型した瓦で、耐用年数が長くコストも抑えられることから、人気だった屋根材です。ただ、衝撃にはあまり強くなく、割れやすいデメリットがあります。
セメント瓦の耐用年数は30~40年程度と比較的長い傾向がありますが、セメント瓦は塗装をしないと素材そのものが早く劣化してしまいます。
そのため、塗料の耐用年数が切れる前に塗り替えをしなくてはなりません。塗り替えの年数の目安としては、だいたい5~10年を見ておきましょう。
ガルバリウム鋼板
海外で誕生した金属屋根の一種で、見た目が美しくスタイリッシュな仕上がりとなるのが特徴です。
耐久性に優れるうえに加工がしやすく、あらゆる形状の屋根にマッチする点がメリットといえるでしょう。軽量ゆえに建物へ与える負担が少なく、耐震性向上も期待できます。
トタンと同じ金属屋根であるため、断熱性や防音性は期待できません。
熱を遮断するには適切な断熱施工が必要で、雨音がダイレクトに響くのを抑えるためには防音の施工も必要です。
ガルバリウム鋼板の耐用年数は30~40年で、塗り替えの目安も前回の塗装から10~25年と比較的長めです。
しかし、海沿いや、高温多湿な環境にある場合は素材の劣化が早まります。
サビや腐食などが目立つようなら、状況に応じて目安よりも早めに対処する必要があります。
粘土瓦
古くから日本の家屋に用いられてきた屋根材で、日本瓦とも呼ばれます。
無釉瓦と釉薬瓦に分けられ、それぞれに特徴がありますが、共通するのは耐用年数が非常に長いことです。
実際、築100年以上経過した建物に使用されている日本瓦が、一度もメンテナンスをしていないケースも珍しくありません。
50~100年の耐用年数を誇り、素材そのものが劣化しづらいため、基本的に塗り替えが不要な粘土瓦は非常に魅力的です。
デメリットとしては、高価なことや、重量があるため建物に負担をかけやすい点が挙げられます。
また、屋根に合う建物のデザインが極端に限定されてしまう点も難点です。
屋根塗装のタイミングを知るサインとは?
▲塗膜が剥がれ防水の機能が失われた瓦屋根
具体的に、どのような状態になれば塗装を考えればよいのでしょうか。
塗り替えのタイミングを知らせるサインについてご紹介します。
雨漏り
たとえば金属屋根が錆びると、そこから雨が侵入する恐れがあります。
屋根の下地材まで浸食し、建物内部に雨が入ることも少なくありません。
また、金属屋根以外でも、雨水によって塗膜が侵されると素材そのものに浸透してしまい、雨漏りを引き起こしてしまいます。
このようなケースでは、一刻も早い対処が求められます。
一度雨漏りが発生してしまうと放置しても改善することはなく、悪化する一方です。
天井などに雨漏りの兆候が見られる場合には、早急に専門の業者へ連絡してください。
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屋根の割れ・ヒビ
屋根材が長い年月を経ることでだんだんと塗膜の保護機能が段々と弱まり、雨や外気などの影響を受けやすくなります。
その結果、屋根材は劣化しやすくなってしまいます。
また、衝撃によってもひび割れが生じることがあります。
具体的には地震による衝撃が原因で発生することもありますし、道路沿いの物件の場合には、車の走行による振動などが挙げられます。
このような理由から、屋根に反りや割れなどが生じ、雨漏りや屋根材の滑落などが起きてしまいます。
材質の特徴から、割れやすい屋根素材は、スレート、セメント瓦、粘土瓦です。
屋根のダメージに関しても、早急な対応が必要です。細かな亀裂であっても、室内へ雨水が侵入してしまうことがあります。
このような亀裂を見つけた場合、すぐに専門の業者へ連絡しましょう。
コケ・カビが目立つ
▲屋根はメンテナンスが難しいので劣化に気づかないケースも多い
外から屋根を見たとき、緑色への変色が確認できたらコケやカビが発生している可能性があります。
屋根に太陽光が当たらない、湿気が多いといったケースでも起こりがちですが、塗膜の劣化で引き起こされることも少なくありません。
見えづらい場合は家の外へ出て、双眼鏡などで確認するとわかりやすいでしょう。
コケやカビの生えやすい素材は、粘土瓦やアスファルトシングルです。
緊急性は高くはありませんが、長く放置してしまうと屋根の劣化が進む恐れはあります。
ただコケやカビは見た目も損なうため、なるべく早めに対処しましょう。
自ら屋根へ上って、コケやカビを除去することも可能ですが、体力に自信がない方や、安全性に懸念がある場合は、専門の業者へ依頼してください。
また長い間放置していた場合は、除去だけではなく塗り替えも必要になることもあるでしょう。
屋根の色あせ・変色
外から屋根を見たとき、屋根に色ムラができていたり色が変わっていたりする場合には、注意が必要です。
塗膜の劣化が進行していることを示しているため、そろそろ塗り替えの検討タイミングだといえます。
これは初期的な段階であるため、すぐに塗り替える必要はありませんが、症状が改善することはありません。
スレート、トタン、ガルバリウムなどの色あせは、塗装を施された全ての屋根材で発生します。
直ちに問題はありませんが放置することで雨漏りや屋根材の滑落、飛散などを引き起こす可能性があります。
色あせが見つかったら、定期的に経過観察をして劣化具合を確認するようにしましょう。
塗膜の剥がれ
塗装の剥がれが視認できるのであれば、それは塗膜の劣化を示す症状です。
屋根材の保護機能が失われてしまい、風雨などのダメージを受けやすくなってしまいます。
放置すればするほど劣化の範囲が広がる恐れがあるため、早急に対処しましょう。
こちらも色あせの症状と同様に、塗装を施された全ての屋根材で発生します。
塗膜が剥がれていると、そこだけ色が変わっているため、すぐにわかります。
使用している屋根材に関わらず、変色していれば何かしら問題が生じていると判断しましょう。
屋根材の破損
飛来物による外的要因でのダメージや劣化などで、破損してしまうことがあります。
雨漏りや屋根材の滑落、飛散といったリスクがあるため、症状が確認できたらすぐに専門の業者へ修理の依頼をしてください。
また、屋根の割れ・ヒビの項目で紹介したものと同様に地震による衝撃で破損することもあります。
もともと小さなひび割れしか生じていなかった場合でも、地震によって建物が揺れ、屋根に歪みが生じた結果損壊れてしまうことが考えられます。
屋根材の破損は、全ての素材で発生しますが、当然耐久性の低いトタンや、スレートで起こりやすいことが特徴です。
金属部分の錆び
錆びが生じている場合、外から見てすぐにわかります。
赤や茶色に変色するため、確認できたら錆びが発生していると考えましょう。
錆びが進行することで、最終的には屋根に穴を開けてしまうので、早急に修理しましょう。
当然ですが、錆びの症状は、トタンやガルバリウムなどの金属素材のみで発生します。
極稀に金属が飛来することでもらい錆びを受けることもあるので台風など風が強い日には過ぎ去ったあとで確認をしておきましょう。
このケースでは、錆びを落としたのちに塗装工事を行います。
範囲が広くなれば、その分手間がかかるためコストも高くなります。
放置している時間が長ければその分だけ錆びが広範囲へと広がることになるため、早めに対処することで将来的にかかるコストの抑制が期待できます。
屋根塗装の耐用年数
使用する塗料によって、耐用年数が変わります。
一般的には5~10年の耐用年数といわれていますが、使用する塗料によって差があります。
以下に、代表的な塗料の種類と耐用年数をまとめました。
素材 | 耐用年数 |
ウレタン塗料 | 3~5年 |
シリコン塗料 | 5~8年 |
フッ素塗料 | 7~10年 |
無機塗料 | 10年~ |
基本的に、耐用年数が短いほど費用は安く、長いほど高くなります。
フッ素や無機塗料は1回の施工にかかる費用が高くつきますが、耐用年数が長いためランニングコストに優れています。
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屋根塗装をするならいつがおすすめ?季節別メリットデメリット
▲三和ペイントで施工した屋根塗装の様子
工事を行うのに向いている季節とそうでない時期があることを覚えておきましょう。
季節ごとのメリットとデメリット、費用などを解説します。
春
気温や湿度が安定しているため、比較的工事に向いている時期です。
気候の変化が少ないため、工事が滞りなく進みやすいのはメリットだといえるでしょう。
ただ、春は塗装業界の繁忙期であり、すぐに対応してもらえない可能性があります。
また、繁忙期は業者によっては施工単価が高くなりやすいため、価格面を重視する場合は別の季節を選ぶというのも手です。
梅雨
湿気が多く、天候も不安定なため屋根塗装には向いていない時期です。
ただ、この時期は塗装工事を避ける方が多く、業者の立場からすると閑散期です。
予約が取りやすく、料金が安くなる傾向があります。
天候が崩れるたびに工事を中断しなければならず、長引きやすいのがデメリットです。
品質に影響を与えることもあるため、基本的にはおすすめできません。
夏
塗装工事に適したシーズンです。
快晴の日が多くなり、滞りなく作業が進められるメリットがあります。
ただ、この時期は台風が発生しやすいため、タイミング次第では工事が止まってしまうことも考えられます。
またこちらも繁忙期のため、業者次第では単価は高くなりがちです。
秋
気温や湿度が安定しているため、塗装工事に適した季節です。
ただし、夏と同様に台風が上陸する可能性もあり、場合によっては工事が滞ってしまうかもしれません。
この時期も業者は繁忙期のため、塗装屋さんによっては価格は高くなりやすいことが特徴です。
冬
晴天になりやすいエリアでは、工事が滞りなく進みます。
業者はそれほど忙しい時期ではないため、費用は安く抑えやすいというメリットがあります。
ただし、地域によっては積雪や気温の影響で工事が思うようには進まないこともあるため、注意が必要です。
気温が低い地域では塗料が凍ることもあり、工事が止まってしまいます。
屋根塗装のポイント
屋根塗装で失敗しないために、知っておきたいポイントをご紹介します。
業者への連絡は早めにする
業者には繁忙期があるため、工事の際にはできるだけ早めに依頼をしましょう。
繁忙期に入ってからでは、予約が取れないかもしれません。
3~10月くらいは最も忙しくなる時期のため、注意が必要です。
繁忙期に入る2~3ヶ月前には業者へ連絡すると、スムーズに工事が進められます。
こんな業者は注意
たとえば、工事期間が明らかに短い業者は注意が必要です。
必要な工程を省かれたり手抜きをされたりするなどのリスクが考えられます。
また、あまりにも安すぎる費用を提示する業者にも注意しましょう。
見積もり額が安すぎる場合は、悪徳業者である可能性があります。
下塗りをせずに施工されたり、予定とは異なりグレードの低い塗料を使用されたりすることが考えられます。
事前に業者を利用した人の評判や、見積もりを確認して、優良業者であるかを見極めてから実際の工事を依頼するようにしましょう。
相場の料金を理解する意味や多くの業者からアドバイスを聞くためにも複数の業者から見積もりを取得する相見積もりをして考えるようにしましょう。
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他部分の塗装とあわせてコストダウンも?
たとえば、屋根の塗装と当時に外壁の塗装を行うと最終的にかかるコストを引き下げられることもあります。
屋根の工事が終わり、しばらく経って外壁を塗り替えるとなると、再度足場を組まなければなりません。
屋根と同時に外壁の塗装を行えば、そのまま足場を使用できるためコストダウンが図れます。
一度の工事で発生する費用は高くなるものの、将来的に見るとコストダウンが見込めます。
外壁もいずれは塗り替えが必要なため、できれば屋根と同時の工事をおすすめします。
屋根に使用している材料によって劣化の速さや生じる問題点などが異なります。
すでに塗り替えのサインが確認できているのなら、なるべく早めの対処を考えましょう。
塗装に向いている時期や業者へ依頼するタイミングなども、ここでご紹介した内容をぜひ参考にしてください。
また、屋根塗装では足場の架設費用も発生します。
業者によって足場の架設費用も異なるため、あらかじめ相場を把握したうえで塗装費用を確認しましょう。
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