
屋根全体をリフォームするときの費用
屋根全体をリフォームする代表的な工事は「屋根塗装工事」「屋根カバー工法」「屋根葺き替え工事」の3種類の工事があります。
それぞれの費用やメリット・デメリットについて解説いたします。
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屋根の塗装工事にかかる費用
屋根の塗装工事とは劣化した屋根材を高圧洗浄で汚れを落として、傷み箇所がある場合は下地補修を行った後に下塗り・中塗り・上塗りと3回塗りをするメンテナンス方法で美観と防水機能の回復を目的としています。
屋根塗装工事の費用相場は、40〜50万円程度が目安になります。
費用の差は、施工面積はもちろん、使われる塗料の種類によって大きく変わります。
価格の安い順に、アクリル・ウレタン・シリコン・フッ素・無機・光触媒とさまざまな種類があり、耐用年数が長いほど費用も高くなっていきます。
耐用年数と予算を考慮した上で、どの塗料を選んで塗装するのかを決めましょう。
■屋根の塗装工事のメリット・デメリット
屋根塗装のメリットは、カバー工法や葺き替え工事に比べると工期が短く、費用が安く済むことです。
また、遮熱効果や断熱効果がある塗料は小屋裏の温度を下げる効果を発揮し、エアコンの節電などに繋がります。
外観を綺麗にすることもメリットの一つです。色を変えるだけで住宅のイメージを一新することもできます。
デメリットとしては、定期的な塗り替えが必要なことがあげられます。
しかし、きちんとメンテナンスをすることで家の寿命を延ばすことができ大切なお住まいを長持ちさせることに繋がりますので、定期的なメンテナンスをすることをおすすめします。
■屋根の塗装工事における塗料の種類による違い
屋根塗装における塗料の種類による違いについて解説します。
アクリル塗料は、最も安価で耐用年数が短く、近年ではあまり使用されていません。
ウレタン塗料は、リフォームに使用される中では最も安価です。
シリコン塗料は、価格と耐用年数のバランスが最も良くポピュラーで人気があります。
フッ素塗料は、汎用樹脂のグレードでは最高級品で大きな家など塗装回数を減らしたい場合に最適です。
光触媒塗料は、太陽光が当たると塗膜の汚れを除去する機能があります。
無機塗料は、有機物を含まないので紫外線での劣化がなく、耐用年数が最も長いとされています。
塗料 | 耐用年数 |
アクリル塗料 | 5〜8年 |
ウレタン塗料 | 8~10年 |
シリコン塗料 | 10〜15年 |
フッ素塗料 | 15〜20年 |
光触媒塗料 | 18〜20年 |
無機塗料 | 20〜25年 |
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屋根のカバー工法にかかる費用
屋根カバー工法とは、既存の屋根材の上から新しい屋根材を取り付ける工事です。
費用の相場は、おおよそ1㎡あたり1万円と足場代20万円程度が目安になります。
また、屋根形状によって板金の部材が増減するため費用は変動します。
例えば、片流れ屋根や切妻屋根などシンプルな形状であれば安くなりますし、複雑な複合屋根は下屋根があると高くなります。
■屋根のカバー工法のメリット・デメリット
屋根カバー工法のメリットは、撤去費用や廃材の処理代金がかからないため、葺き替え工事に比べるとリフォーム費用や工期を抑えることができる点です。
また、屋根が二重になることで断熱効果や防音性、防水性が高まります。
しかし、屋根が二重になることで屋根の重量が大きくなり耐震性が低くなるというデメリットもあります。
カバー工法の場合は、出来るだけ軽い素材の金属屋根を使用するのがおすすめです。
また、劣化が進み下地に問題がある場合は施工できない可能性があるので注意が必要です。
カバー工法は耐震性が低くなるデメリットがあるものの、コストを少しでも抑えたい人におすすめです。
屋根の葺き替え工事にかかる費用
屋根の葺き替え工事とは、既存の屋根材を撤去して下地から交換し、屋根そのものを一新する工事です。
屋根の葺き替え工事は、屋根工事の中では最も高額な費用を要します。
費用相場は、30坪の戸建住宅の場合で約120〜200万円程度が目安になります。
費用の内訳は、新設する屋根材の購入費と設置費が約45〜90万円、下地補修費が20〜30万円、既存屋根の撤去処分費が12〜20万円です。
屋根の面積はもちろん、屋根材の種類や現場の状況によって費用は変わります。
■屋根の葺き替え工事のメリット・デメリット
屋根の葺き替え工事のメリットは、野地板などの下地の状況が確認できることやルーフィング(防水シート)の交換ができることです。
その他にも、水切り板金などの部材を新しくすることができるので屋根の寿命を延ばすことができるのもメリットです。
デメリットは、カバー工法や塗装と比較すると古い屋根材の撤去処分費用や手間がかかるので費用が高く工期も長くなることです。
しかし、建物の寿命を延ばすことができるため、長期的に見ればコストパフォーマンスに優れています。
築年数が長い場合や、下地の修繕などが必要な場合は葺き替え工事をするのがいいかもしれません。
屋根の一部をリフォームするときの費用
屋根の部分リフォームにはどれくらい費用がかかるのか見ていきましょう。
瓦屋根なら漆喰工事があり、劣化した漆喰を撤去し新しい漆喰を詰め直します。
瓦屋根は他に棟瓦の修理や積み直し、割れた瓦やヒビの入った瓦の差し替えなどの工事もあります。
また、スレート屋根の場合は欠けや剥がれに有効なコーキング補修工事、棟板金の交換工事や雨樋の取り替え工事などもあります。
それぞれの部分工事の費用は、大抵は1mあたりや1㎡あたりで計算される価格設定になっています。
※金額についてはあくまで相場になります。正確な費用に関しましては現場調査をおすすめいたします。
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漆喰補修工事・瓦屋根補修工事にかかる費用
漆喰補修工事には、漆喰詰め直し工事と棟瓦取り直し工事があります。
漆喰詰め直し工事は、劣化した漆喰を取り除いて新しい漆喰を詰め直す作業をいいます。
棟瓦取り直し工事は、屋根の最上部の棟瓦を一度降ろして漆喰を詰めたあと、再度棟瓦を積み直します。
漆喰詰め直し工事の費用相場は、1mあたり片面約3,000〜4,000円で、棟瓦取り直し工事の棟瓦の修理や積み直しの費用は瓦3〜4段の場合は約1万円程度です。
瓦屋根補修工事は瓦屋根が割れている場合は差し替え工事を行い、瓦がズレている時は瓦の並び戻し工事を行います。
差し替え費用は瓦1枚300円からが相場で、並び戻し工事費用は1平方メートルあたり約1万円ぐらいからです。
■漆喰補修工事が必要な状況
漆喰補修工事が必要な状況は、漆喰が黒ずんでいる場合と剥がれ落ちている場合です。
漆喰にカビやコケが生えると黒ずんで、漆喰の中に根を張り雨水を吸い上げて雨漏りの原因になります。
また、漆喰は太陽の日差しや雨風などに晒され、ダメージを受けることで経年とともに崩れてきます。
漆喰は瓦同士を接着させる目的でもあるため、崩れてくると雨漏りの原因にもなりかねません。
漆喰が崩れると瓦がズレたり、ひび割れや穴が開くと雨水を通してしまうのです。
瓦屋根の場合は専門業者による定期的な点検をおすすめします。
■瓦屋根補修工事が必要な状況
瓦屋根は、瓦の割れやヒビ、瓦のズレがあればすぐに補修工事を依頼しましょう。
瓦屋根は耐用年数の長い優秀な屋根材ですが、台風や強風により飛来物が当たり割れてしまうことがあります。
また、風によって少しずつズレが生じてしまうことがあり、雨漏りが起きなくてもルーフィング(防水シート)の劣化に繋がります。
劣化を放置して下地の野地板まで腐食すると、補修費用が高額になってしまいます。
瓦の差し替え工事や瓦の並び戻し工事であれば費用は抑えられるので、割れやズレに気が付いた場合は出来るだけ早く業者に依頼することをおすすめします。
コーキング補修工事にかかる費用
コーキング補修工事にかかる費用の相場は、1ヶ所あたり約5,000〜6,000円が目安になります。
コーキング補修工事は、スレート屋根などが欠けたり剥がれたりした場合に効果のある工事です。
スレート屋根は塗装の効力が弱くなってくると屋根材自体が水分を吸収し太陽の光で乾燥します。
この繰り返しがスレート屋根の劣化を促進させ、ヒビや欠けに繋がるのです。
また、金属屋根に穴が開いたり瓦屋根が欠けた際にもコーキングで処理する場合があります。
■コーキング補修工事が必要な状況
コーキング補修工事が必要な状況は、屋根材が欠けたり剥がれたりした時です。
放置すれば雨漏りや下地材の劣化を進めることになります。
コーキング補修工事ができる屋根材の種類は、スレート屋根材、金属屋根材、瓦屋根などです。
スレート屋根は耐用年数も他の屋根材に比べて短く、経年劣化で反りや浮きが発生し欠けたり剥がれることがあります。
金属屋根は腐食や衝撃などで穴が開くことがあり、瓦屋根も強風による飛来物で破損したりします。
そのようなわずかな損傷であればコーキング補修によって雨水の侵入を防ぐことができます。
あくまで応急処置的な補修工事なので、損傷が激しい場合は屋根材そのものの工事が必要になります。
専門業者に依頼して、定期的に点検してもらいましょう。
棟板金交換工事にかかる費用
棟板金とは屋根の最も高い棟の位置にある部材のことで、スレート屋根や金属屋根は棟が板金でできていることが多いので棟板金と呼ばれています。
棟板金交換工事の費用相場の目安は、1mあたり約6,000円です。
施工内容は既存の棟板金を解体し下地調整のあと、木下地取り付け、棟包み取り付け、コーキング仕上げの工程で進みます。
棟板金交換工事は1m単位での計算になりますが、極端に短い場合には20,000円からが価格設定となる場合が多いです。
屋根勾配が急勾配の場合は、棟板金工事のみの作業でも屋根足場の別途費用がかかることもあります。
■棟板金交換工事が必要な状況
棟板金工事が必要な状況は、固定されている釘が浮いている時や棟板金そのものが浮くような状況になった時です。
棟板金は建物の一番高いところにあるため、雨風の影響を最も受けやすくダメージが激しい部分でもあります。
金属製であるため錆びることもあり、固定している釘が経年劣化で緩んでくることがあるのです。
その釘の緩みが棟板金を不安定にさせ雨水が侵入し、雨漏りの原因になります。
近年、棟板金はガルバリウム鋼板の素材やステンレス製のビス留めになり、錆や浮きに強い部材でリフォームされることが増えています。
雨樋工事にかかる費用
雨樋工事にかかる費用の相場は下記の通りです。
工事内容 | 費用相場 |
雨樋掃除費用 | 10,000〜30,000円 |
雨樋撤去費用 | 1mあたり約900円〜 |
雨樋取り付け費用 | 1mあたり約3,000円〜5,000円 |
雨樋の継ぎ手の補修 | 1ヶ所5,000円〜20,000円 |
雨樋の全体交換 | 約15〜60万円(屋根の形状による) |
■雨樋工事が必要な状況
雨樋の耐用年数は20年程度で、泥や埃が詰まっていたり、カビやコケが発生していたり、歪みが生じている場合は雨樋工事が必要です。
雨樋には色々なものが蓄積し、水をせき止め、やがてコケが生えて雨水がスムーズに流れなくなります。
雨樋から漏れた雨水は軒を伝って外壁へと流れ、外壁の内側へ入り込むとカビが発生したり材木を腐食させたりします。
雨樋は常に雨風に晒され紫外線の影響を受けているので、年月が経てば劣化が進んでいます。
雨樋は見にくい部分なので定期的に業者に清掃を依頼し、メンテナンスすることが重要です。
屋根材ごとの費用
屋根材にはさまざまな種類があり費用も異なります。
屋根材の種類は大きく分けるとスレート瓦、金属系のガルバリウム鋼板、日本瓦の3種類に分類できます。
屋根材は素材によって耐用年数や価格、メンテナンスの方法も違ってくるのでそれぞれの特徴を把握した上で業者に相談しましょう。
近年最もよく使用されているスレート、ガルバリウム鋼板、日本瓦について特徴や費用の相場を見ていきましょう。
※金額についてはあくまで相場になります。正確な費用に関しましては現場調査をおすすめいたします。
スレート瓦の費用
スレート瓦のリフォームにかかる費用は以下の通りです。
工事内容 | 費用相場 |
スレート瓦の差し替え・交換 | 1枚あたり約5,000〜30,000円 |
板金補修費用 | 1mあたり約5,000〜8,000円 |
塗装工事費用 | 約25〜70万円(施工面積50〜100㎡の場合) |
カバー工法費用 | 約55〜150万円(施工面積50〜100㎡の場合) |
葺き替え工事費用 | 約70〜180万円(施工面積50〜100㎡の場合) |
別途足場代が約20万円程度かかります。
■スレート瓦の特徴(メリット・デメリット)
スレート瓦のメリットは他の屋根材と比べると価格が安いことです。
製品そのものが安く、施工も比較的難易度が低く工期が短いです。
施工費用が全体的に抑えられることから、新築住宅によく使われています。
リフォームで屋根の葺き替えをする場合、コストを抑えたいのであればスレートがおすすめです。
デメリットとして、耐久性があまり高くないため、比較的劣化しやすい点があげられます。
直射日光や雨風により表面が傷みやすく、劣化した状況で放置しておくと雨漏りや腐食の原因になります。
専門業者に依頼して定期的なメンテナンスを行うようにしましょう。
ガルバリウム鋼板の費用
ガルバリウム鋼板のリフォームにかかる費用は以下の通りです。
工事内容 | 費用相場 |
カバー工法縦葺き費用 | 約45〜110万円(施工面積50〜100㎡の場合) |
カバー工法横葺き費用 | 約50〜120万円(施工面積50〜100㎡の場合) |
葺き替え縦葺き費用 | 約65〜160万円(施工面積50〜100㎡の場合) |
葺き替え横葺き費用 | 約70〜170万円(施工面積50〜100㎡の場合) |
別途足場代が約20万円程度かかります。
■ガルバリウム鋼板の特徴(メリット・デメリット)
ガルバリウム鋼板のメリットは、まず耐久性に優れているところです。
厚さが薄いにもかかわらず、何層にもなって形成されている屋根材のため、腐食率が低く錆びにくい性質があります。
他には、緩い勾配の屋根に使用できるところです。 緩い勾配で使用できることは、大抵の屋根に対応することが可能で自由度が高いといえます。
また、コストパフォーマンスに優れている点もメリットの一つでしょう。
ガルバリウム鋼板のデメリットは、金属屋根なので断熱性が低いことです。
直射日光が当たり続けると屋根の表面温度が上がり、小屋裏や2階の室内温度を上昇させます。
ガルバリウム鋼板を採用するには、断熱対策を考える必要があるといえます。
日本瓦の費用
日本瓦のリフォームにかかる費用は以下の通りです。
工事内容 | 費用相場 |
土葺きから桟葺きへの葺き替え費用 | 約105〜210万円(施工面積50〜100㎡の場合) |
桟葺きから桟葺きへの葺き替え費用 | 約85〜170万円(施工面積50〜100㎡の場合) |
既存の屋根が土葺きの場合の撤去費用 | 1㎡あたり約5,000円 |
下地である野地板の補修費用 | 1㎡あたり約2,000円 |
別途足場代が約20万円程度かかります。
■日本瓦の特徴(メリット・デメリット)
日本瓦のメリットは、耐火性に優れているところです。
万が一の火災の時にも屋根が燃え広がることがありません。
また、断熱性や遮音性、耐久性にも優れています。
日本瓦の形状はS字の形をしていることから、その空気層が夏の熱い空気を逃してくれるので、屋根の温度の上昇を抑えることができるのです。
夏は涼しく冬は暖かいのが日本瓦のメリットで、四季のある日本の気温や風土に適した屋根材といえます。
日本瓦の最大のデメリットは、重量があるために耐震性が低く地震の揺れに弱いことです。
また、台風などの暴風で瓦が飛んでしまったり、ずれてしまったりすることもデメリットのひとつでしょう。
まとめ
屋根をリフォームする際の費用の相場や工事の種類、リフォームが必要な状況について解説いたしました。
屋根材の特徴を踏まえて予算に応じたリフォームを検討しましょう。
屋根の状況は判断しにくい部分なので、まずは専門業者に相談することをおすすめします。
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