家の外壁材の種類と特徴を比較 見分け方と補修方法をプロが解説

家の外壁材の種類と特徴を比較 見分け方と補修方法をプロが解説イメージ
外壁材にはさまざまな種類があります。日本で最も多く使われているのは、窯業系サイディングと呼ばれる板状の外壁材で、デザインの豊富さが人気の理由の一つです。この記事では、外壁材の種類や特徴、見分け方、選び方などをご紹介します。
目次
この記事の監修者
矢野友也

矢野友也
三和ペイント株式会社
品質管理部 主任

2015年新卒入社。4年間営業職として直接お客様と関わる。現在は営業経験で培ったノウハウを活かし、品質管理部主任としてお客様満足度や施工品質の向上に従事。日々お客様よりいただくアンケートすべてに目を通し、生のお声を元に社内での営業教育や施工PT教育に力をいれております。

2015年新卒入社。4年間営業職として直接お客様と関わる。現在は営業経験で培ったノウハウを活かし、品質管理部主任としてお客様満足度や施工品質の向上に従事。日々お客様よりいただくアンケートすべてに目を通し、生のお声を元に社内での営業教育や施工PT教育に力をいれております。

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お住まいの顔ともいえる外壁をリフォームするとなると、素材選びには慎重になってしまいます。
外壁材にはいくつか種類があり、それぞれ性能や価格に違いがあります。後々後悔しないためにも、外壁の選び方や注意点など確認しておきましょう。

外壁の役割とは?

屋根と同様、外壁には雨風から生活空間を守る役割があります。
外壁には玄関や窓といった開口部が設けられるので、その分、外部からの遮熱や遮音、プライバシーの保護などにも対応できる性能を備えていなければなりません。

外壁材の見分け方

外壁材にはレンガ調やタイル調をはじめ、木目調や石材調、漆喰調などさまざまな種類があります。
しかし、見た目だけで判断するのはなかなか難しいものです。
外壁材を見分けるためには、素材ごとの違いを覚える必要があります。
基本的には、目地の有無や目立ちやすさ、方向、位置、叩いたときの音などによって大まかな判別が可能です。

外壁材の種類

外壁に使用する工場生産の板材を「サイディング」といい、サイディングには窯業系、金属系、木質系、樹脂系の4種類があります。
ここからは、サイディングをはじめとした外壁材の種類ごとにその特徴と見分け方を解説していきます。

窯業系サイディング

まずは、一般的な日本の戸建て住宅の7割以上に使用されている外壁材、窯業系サイディングです。

特徴

窯業系サイディングとは、セメントや繊維質を原料とした板状外壁材の一種です。
製造する過程で窯の中で高熱処理を行うことから窯業系と呼ばれています。
レンガ調やタイル調、木目調、石目調などバリエーションが豊富で、デザインによって見た目の印象が大きく異なります。
大量生産ができるため、ほかの外壁材より価格が安いのも特徴です。1㎡あたりの材料費は3,000円~が相場です。
工場であらかじめ成型された素材を壁に張り付けていくため工期は短く、耐火性にも優れるなどいろいろなメリットがあります。
一方、素材自体には防水性がないので、塗装が剥がれてくると防水性が低下してしまう点がデメリットとして挙げられます。

見分けるためのポイント

窯業系サイディングの大きさは455×3030mmがほとんどで、3030mmの位置に目地ができるため、それを隠すために幕板をつけているケースも多くみられます。
ほかのサイディングと比べると、目地の存在感が強いと覚えておくとよいでしょう。

金属系サイディング

窯業系サイディングには及ばないものの、近年シェアを伸ばしてきているのが金属系サイディングです。

特徴

金属系サイディングとは、ガルバリウム鋼板やアルミ、スチールなどの金属を使用したサイディングのことです。
金属の種類によって差はありますが、比較的耐久性があり、腐食にも強いとされています。
住宅用としてはガルバリウム鋼板製が多くを占めており、強度が高く耐用年数が長い点や、断熱性や防音性、耐震性に優れる点、アルミやスチールよりも安価な点などから人気があります。
1㎡当たりの材料費相場は4,000円~です。
ただし、見た目が機械的な印象になりやすいので、窯業系サイディングと比べるとデザインの幅はやや限定的です

見分けるためのポイント

以前はシンプルなデザインがほとんどだったものの、近年はレンガやタイルを模したデザインも増えてきており、窯業系サイディングとの区別が難しくなってきています。
その場合、こちらも目地に着目しましょう。目地が目立っているものは窯業系、目地が目立たないのが金属系です。

樹脂系サイディング

樹脂系サイディングは、あまり名前の知られていないマイナーなサイディングではありますが、機能的にはほかのサイディングと比較しても遜色ありません。

特徴

樹脂系という名前のとおり、塩化ビニル樹脂を原料としたサイディングボードです。
国内シェアはわずか1%ともいわれるほど知名度は低めですが、ほかのサイディングよりも耐久性に優れ、20~30年は持つといわれています
塗装やボード同士を繋ぎ合わせるシーリングという作業が必要ないので、メンテナンスの手間もほぼかかりません。
デメリットとしては、国内で取り扱っている業者が少なくデザインも限られている点が挙げられます。
また、生産数が少ないことから費用は高めで、1㎡当たりの材料費は4,500~9,000円です。

見分けるためのポイント

樹脂系サイディングでは、コーキングを行わずにボードを張り合わせているのが特徴です。
プラスチックのような質感から見分けがつくものもあります。

木質系サイディング

木質系サイディングとは、木で作られた薄い板状の外壁材です。

特徴

木質系サイディングは、無垢材の表面を加工することで防火性や耐久性を高めています。
人工木材にありがちな不自然さがなく、無垢ならではの味のある表情を感じられるのがメリットです。
窯業系サイディングの中にも木目調のものはありますが、木質系の方がより本物に近いことが特徴です。
ただし、木材であることから腐食に弱く、きちんとメンテナンスをしないと劣化を早めてしまいます。
窯業系や金属系と比べると加工の手間などから価格が高く、1㎡当たりの材料費は5,000~8,000円です。

見分けるためのポイント

木質系サイディングは、天然の木を切り出して加工したものなので、特別な知識がなくても簡単に見分けられるでしょう

モルタル

モルタルは、1980年代までは国内主流の外壁材でした。
しかしサイディングが広まってからは、その普及率は減少傾向にあります。

特徴

モルタルの壁は職人が直接壁に塗って仕上げるため、職人によって仕上がりの美しさに差が出ます。
コテの先端で模様をつけていくのでデザインの自由度が高く、色を自由に選べるのも特徴です。
モルタルのメリットとしては、不燃性のため有毒ガスを発生しない点、壊れにくい点、色や仕上げ方のバリエーションが豊富な点などが挙げられます。
その反面、経年劣化によってひび割れがしやすく、剥がれや浮きなどが目立ちやすいことから、メンテナンスの手間がかかる点がデメリットといえるでしょう。
1㎡当たりの材料費は、4,500円~です。

見分けるためのポイント

モルタル表面の模様は、砂粒を吹き付けた「リシン仕上げ」や、漆喰を5~10mmの厚さで吹き付けた「スタッコ仕上げ」、コテの跡を残した「左官仕上げ」などさまざまです。
とはいえ、目地がなくシームレスなため容易に見分けがつきます

タイル

タイルは粘土などを焼き固めたもので、耐用年数が長いことが特徴です。

特徴

タイルには見た目の重厚感や高級感があり、土や石を焼き固めることによる独特の風合いが特徴です。
硬くて傷が付きにくいなど丈夫なほか、耐久性、耐水性、耐火性にも優れ、半永久的に長持ちするといわれています
経年変化によって色に深みが出るのはタイルならではの面白さといえるでしょう。
機能面に優れる分、ほかの外壁材より初期費用は高くなりがちで、1㎡当たりの材料費は13,000~35,000円が相場とされています。
タイル自体は丈夫ですが、地震などでタイルが剥がれ落ちて割れてしまう場合もあります。
また、素材自体が非常に重く、建物の構造的な負担になってしまう点もデメリットといえます。

見分けるためのポイント

タイルの中には窯業系もしくは金属系サイディングで本物を真似たものもありますが、目地や素材の質感などですぐに見分けられます。
ポイントは目地とタイルが一体化していないところです。

ALC

ALCとは、発泡剤を混ぜることで細かな気泡を含ませ、軽量化したコンクリートパネルです。
従来は鉄骨造りの外壁や床、屋根などに使われていましたが、最近では一戸建て住宅の外壁にも使用されています。

特徴

ALCの主原料は、セメント、生石灰、アルミニウム粉末などです。
耐火性や断熱性に優れ、パネルの内部に補強材として金網が入れ込まれていることから高い強度を誇ります。
重さはコンクリートの1/4程度と軽く、住宅にかかる負担は比較的小さめです。モルタルと違って工場で生産されるため、デザインや性能の差はあまりみられません。
デメリットとしては、防水性が低いので、仕上げ材でしっかりと保護する必要がある点、シーリングが甘いと雨漏りが生じてしまう点などが挙げられます。
1㎡当たりの材料費相場は、7,500円~です。

見分けるためのポイント

ALCにはタイルを張り付けたものや、表面を切ったり削ったりして加工したものなどさまざまな種類がありますが、いずれも目地がなく、全てシーリングで処理されているところが見分け方のポイントです。

人気No.1の外壁材はサイディング

外壁材の中で最も人気があるサイディングは、国内の新築戸建てでは8割以上の住宅に使用されています。
あらかじめ工場で生産された板材を使用するため、タイルのように1枚ずつ張り合わせたり、モルタルのように現場で塗り広げたりする手間がかかりません。
その分、工期も短く費用も安い点が人気の理由だといえるでしょう。
これまで紹介してきたとおり、サイディングには窯業系、金属系、樹脂系、木質系の4種類があり、中でもバリエーションが豊富でコストを抑えられる窯業系が圧倒的な支持を獲得しています。

外壁材の選び方

これだけ種類があると、どの外壁材を選べばいいのか悩んでしまうかもしれません。
そこで、ここからは外壁材の選び方をみていきましょう。

外壁材の特徴で選ぶ

外壁材を選ぶ際には、価格、デザインのバリエーション、耐久性、メンテナンスのしやすさ、施工のしやすさなどに着目しましょう。
安さだけで決めてしまうと、デザインが限定的で自分好みの外壁材がないということもあります。
た、初期費用が高くなるとしても、メンテナンスが楽なタイプを選べば長い目でみた際はコストを節約できることもあるでしょう。

周囲の環境に合わせて選ぶ

外壁選びで失敗しないためには、自分の好みだけで決めず、周辺の街並みや景観と調和するデザインを選ぶことも大切です。
個性的な外壁も完成当初はよいかもしれませんが、後々後悔しないとも言い切れません。先々まで考慮して、納得のいく外壁を選ぶことをおすすめします。

メンテナンスの少なさで選ぶ

メンテナンスの必要がない外壁はありませんが、楽にメンテナンスを行える外壁材はあります。
一般的に外壁でメンテナンスを要するのは、塗装、目地に詰めるシーリング、モルタルなどに生じる亀裂などです。
メンテナンスの手間を少しでも減らしたい場合、塗装を行わず目地が少ない外壁材を選ぶとよいでしょう。
亀裂を完全に防ぐことはできませんが、下地処理をしっかり行えばある程度は劣化を遅らせることが可能です。

タイルは、色落ちや劣化が少なく、耐久面では非常に優れた外壁材といえます。
メンテナンスフリーとまではいきませんが、手入れの楽な部類に入ります。
デメリットとしては、価格が1㎠あたり下地のパネルが5,000円~、タイルが8,000円~30,000円で合わせて13,000円~35,000円とサイディングと比較すると高価な点が挙げられます。

色選びも慎重に

機能性やメンテナンス性は重要ですが、色選びも慎重に行う必要があります。

周りの環境で選ぼう

色を選ぶにあたっても、まずは周囲の環境を見渡してみましょう。
検討している色が周囲の街並みや隣近所の家と比べて派手すぎないか、違和感がないかを確認してください。
また、玄関やサッシの色と外壁の色が調和するかどうかも考えてみましょう。
リフォームが完成した後に、思っていたイメージと違うといった事態を避けられます。

人気が高い無難なカラーは?

前述のとおり、周りの住宅と調和しやすいといった観点から、目立ちづらい、飽きの来ない無難なカラーが人気のようです。
外壁にベージュやグレーといった淡い色を選ぶと、濃い色を選びがちな屋根材とのバランスも取りやすいでしょう。
個性を出したいという場合には、ベースは無難な色を選び、一部にレンガやタイルといった異なる素材を組み合わせてみたり、差し色を加えたりしてみてください。
全体の雰囲気に表情をつけることができます。

風水で選ぶ

風水で色を決めるという選択肢もあります。
色ごとの風水的な役割は以下のとおりです。

ホワイト 純潔や無垢といったイメージがあるように、ホワイトは浄化作用が期待でき、悪い気を払ってくれる色とされています。また、家庭生活の円満を後押しし、仕事へ打ち込む気持ちを高めてくれるでしょう。
ブラウン 大地に根差す木や土の色を象徴するのはブラウンです。家庭の安定や健康面をアップさせる効果が期待できます。
ブラック 複数の絵の具を混ぜていくと最終的には黒になってしまうことから、黒は全てを溜め込んだ色とされています。そのため、お金を貯めたいときにおすすめです。
グリーン 植物は葉から日光を吸収し、やがて実をつけ翌年また新しい芽を出します。このことから、緑は吸収や再生、復活を表す色とされ、貯蓄能力を高めたいときに効果を発揮してくれます。
グレー 地味で目立たない色ではありますが、落ち着きを与えてくれる色でもあります。心の平静を保ち、堅実な日々を送りたいときにおすすめです。

汚れの目立つ色には要注意

外壁には、汚れが目立ちやすい色があります。
例えば白や黒などの色は、汚れやすいことが特徴です。
メンテナンスを定期的に行えるのであれば問題ありませんが、なかなか時間が取れない場合は汚れが気になってしまうこともあるでしょう。
反対に汚れが目立ちにくいのは、グレーやアイボリー、ベージュ、ブラウンなどの淡い色合いです。
外壁にはカビや砂ぼこり、コケなど中間色の汚れが多く付着するため、汚れとの色の差が小さいこれらの色は外壁向きだといえるでしょう。

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外壁の補修方法

最後に、外壁を長持ちさせるための補修方法について解説します。

部分補修

部分修理で対応できるのは、ひび割れや錆びの補修、コーキングの補修です。
3mm以上のひび割れは構造クラックとも呼ばれ、かなり劣化が進んでいる状態なので、速やかに業者に依頼して修理してもらいましょう
工事には足場が要らないケースが多く、費用も高額になることは少ないようです。

コーキング補修とは、外壁材のすき間や建物の合わせ目にコーキング剤を充填し、建物の防水性や気密性を高める工事を指します。
コーキングは劣化が早いので定期的な補修が必要です。
コーキングの補修では既存のコーキングの上から行う増し打ちと、既存のものを除去してから行う打ち替えがあります。

全面修理

全面補修には、外壁塗装などが該当します。
塗料は種類によって耐用年数に大きな差があり、最も安価なアクリルは1㎡あたり1,400~1,600円で、5~8年程度で再塗装が必要です。
一方、フッ素や光触媒系、ハイブリッド塗料など、比較的高価な塗料であれば1㎡あたり3,800~4,800円で、15~20年は持つことが特徴です。

塗料を選ぶ際は、持ちのよいものを選ぶと長期的なコストを抑えられます
安価な塗料の場合は初期費用も少なくて済みますが、何度も塗り直さなければならない分足場代などが余計に発生し、かえってコストがかかることもあるでしょう。

補修が必要かどうか、また現在家のどの部分がどれくらい劣化しているのかはひと目見てわかるようなものではありません。
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まとめ

外壁材を見分けたいときには、目地の有無や目立ち具合によって大体の判断が付きます。
外壁を適切に補修・リフォームするためにも、自分で見分けられるようにしておきましょう。
現在使用されているが壁材がわからない場合にはお近くの外壁塗装業者などに相談をしてみると良いでしょう。

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