コロニアル屋根とは?商品の種類や特徴とメンテナンス方法

コロニアル屋根とは?商品の種類や特徴とメンテナンス方法イメージ
リフォームや新築の屋根材として普及している「コロニアル屋根」。プロの間では有名な屋根材ですが、一般の方には耳慣れない言葉かもしれません。この記事ではコロニアル屋根とは何なのか、コロニアル屋根の種類や特徴、耐用年数などについてわかりやすく解説していきます。コロニアル屋根の採用やメンテナンスを検討している方はぜひ最後まで読んでみてください。
目次
この記事の監修者
矢野友也

矢野友也
三和ペイント株式会社
品質管理部 主任

2015年新卒入社。4年間営業職として直接お客様と関わる。現在は営業経験で培ったノウハウを活かし、品質管理部主任としてお客様満足度や施工品質の向上に従事。日々お客様よりいただくアンケートすべてに目を通し、生のお声を元に社内での営業教育や施工PT教育に力をいれております。

2015年新卒入社。4年間営業職として直接お客様と関わる。現在は営業経験で培ったノウハウを活かし、品質管理部主任としてお客様満足度や施工品質の向上に従事。日々お客様よりいただくアンケートすべてに目を通し、生のお声を元に社内での営業教育や施工PT教育に力をいれております。

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コロニアル屋根とは

コロニアル屋根とは、戸建て住宅専用のスレート屋根材の商品名です。
クボタとパナソニックの合併会社であるケイミュー株式会社が製造、販売しています。

地震が多い日本では、建物の耐震性能が重視されてきた歴史があります。
軽量で耐震性が高いことから、1995年の阪神淡路大震災がきっかけで普及したコロニアル屋根ですが、初期のものには現在使用が禁止されているアスベスト(石綿)が含まれていました。
2004年にアスベストの使用・製造が全面禁止されてからは、ノンアスベストのコロニアル屋根が作られるようになり、改良されながら製造されています。

セメントと繊維質を混ぜて板状にした屋根材をスレートといいます。
「コロニアル」や「カラーベスト」はスレート材の商品名ですが、一番普及している「コロニアル屋根」と呼ばれることが多いです。
耐用年数が20~25年あるコロニアル屋根は価格も手ごろなので、採用実績が最も豊富な屋根材といえます。

コロニアル屋根材の種類と特徴

コロニアル屋根は種類によって特徴や適切なメンテナンス方法が異なります。
それぞれの違いについて確認していきましょう。

ニューコロニアル(第一世代)

ニューコロニアルはアスベストを使用した屋根材で耐久性が高いです。
アスベスト(石綿)は天然の鉱物繊維のことで、すぐれた耐熱性や扱いやすさからさまざまな建築資材の材料として使用されてきました。
しかし、アスベストが人の肺に入ると長い潜伏期間を経て、肺がんや悪性中ひ腫を引き起こすことがわかりました。
そのため、現在ではアスベストを含んだ製品の製造は法律で禁止されています。

塗装のみのリフォームではアスベストを気にすることなく工事を実施いたします。
また屋根材の劣化が酷い場合は葺き替え工事も可能ですが、カバー工法での施工をおすすめしております。

コロニアルNEO(第二世代)

2001年頃から販売が開始されたコロニアルNEOは、ノンアスベストの屋根材です。
健康被害からアスベストを使った製造が中止となり、屋根材メーカーは試行錯誤を繰り返すこととなりました。
アスベストに代わる素材は簡単には見つからず、その当時の屋根材は強度が低くさまざまな問題が起こりました。
特にコロニアルNEOに見られる劣化症状としては、「ひび割れ、欠け、変色」があげられます。
屋根のメンテナンスといえばまず塗装が考えられますが、コロニアルNEOは塗装のために屋根に登った職人の重さでも割れてしまうことがあります。
また、大きな欠けも起こりやすく、メンテナンスを行う前に雨漏れに直結してしまう事例も見つかっています。
コロニアルNEOは不規則にそして1枚ずつ変色していくのが特徴です。

コロニアルクァッド(第三世代)

現在のスレート屋根材の主流といわれるのが、第三世代のコロニアルクァッドです。
リフォームに使用されるコロニアル屋根の中で最もベーシックなグレードだといえます。
コロニアルクァッドは、2008年に販売が開始された商品です。
高い耐候性をもつアクリルコートと基材、中間層からなるコロニアルクァッドは、表面の塗膜が劣化しても色あせしにくくなっています。
リフォーム販売開始から十数年しか経過していないことから、強度やメンテナンスへの評価はまだ十分に検証されていません。

一方で、カラーバリエーションがとても豊富なコロニアルクァッドは、優れたデザイン性が評価されています。
和瓦やガルバリウム鋼板など他の屋根材と比較すると、軽量で施工費用も安く、工期も短いコロニアル屋根は非常に人気がある建材です。

コロニアル屋根のメリットデメリット

コロニアル屋根

リフォームの際に、最も選ばれているコロニアル屋根。
しかしこれまでの歴史を考えても万能というわけではありません。
屋根材を選ぶときに注意したい、コロニアル屋根のメリットとデメリットとは何なのか。
気になる点についてご紹介していきます。

メリット

コロニアル屋根のメリットとして、他の屋根材と比べて価格が安いことがあげられます。
また、地震が多い日本では倒壊のリスクを避けるために軽量なコロニアル屋根を選ぶことが多いです。
屋根の重量を軽くすることで住宅全体の重心を下げて地震へ備えることができます。

続いてのメリットは、豊富なカラーバリエーションで住宅のデザイン性を高められる点です。
ブラックやブラウン、シルバー系だけでなく、グリーンやオレンジなど、洋風な外観スタイルにも似合うカラーがそろっていて選ぶ楽しみもプラスされています。

他の屋根材と比較するとコロニアル屋根は軽量で加工しやすい特徴を持っており、工期が短くて済むのが利点です。
リフォームの工期短縮は費用を抑えるポイントの一つです。

デメリット

屋根材としてコロニアルを採用する場合には、デメリットについても理解しておく必要があります。
他の屋根材と比べると、セメントと繊維質の混合素材を薄い板状に加工したコロニアル屋根はひび割れを起こしやすいです。
また、薄いことから断熱性が低く凍結しやすいため、寒冷地の屋根材としてはおすすめできません。

コロニアル屋根の表面には凹凸があります。
水が溜まるとカビやコケが発生して汚れやすい点もデメリットと考えられるでしょう。
そのため、定期的に汚れを落として塗装をするメンテナンスが必要になります。

コロニアル屋根の寿命と耐用年数

コロニアル屋根の寿命は20~25年程度といわれています。
しかし、定期的なメンテナンスを行わないと20年未満でも雨漏りをしてしまうこともあります。

コロニアルNEO(第二世代)は「ひび割れ、欠け、変色」を生じやすいため、塗装でのメンテナンスは難しいです。
劣化が進んだらカバ―工法、または葺き替え工事が必要になります。

コロニアルクァッドのような第三世代は、5~10年を目安に点検を依頼して、劣化が起こっていないかどうか把握することが大切です。
もし、劣化症状が確認された場合には、早めに対策することでコロニアル屋根の耐用年数を延ばせます。

専門業者に依頼して定期的な点検とメンテナンスされることをおすすめします。

>屋根の種類や特徴について詳しく知りたい方はこちら

コロニアル屋根の劣化症状

コロニアル屋根の主な劣化症状について解説いたします。症状ごとの適切なメンテナンスについても把握しておきましょう。

野地板の腐食

野地板

木造住宅の屋根では、家の骨組みの一つである垂木(たるき)の上に「野地板」を貼って防水シートを敷き、屋根材を施工します。
コロニアル屋根と防水シートには通気性がありません。
そのため、野地板は結露や雨漏りの影響を受けて腐食してしまうことがあります。
野地板の腐食は害虫やカビの発生につながり、放置しておくと住宅の内部にまで影響がおよびます。
コロニアル屋根の点検やメンテナンスのときには、必ず野地板の腐食についてもチェックが必要です。
野地板の補修や補強が必要な場合は、葺き替え工事がおすすめです。

色褪せ

色褪せ

コロニアル屋根は高い耐候性を持つ塗料ですが毎日の紫外線や雨風にさらされることで少しずつ色褪せの症状などが進行して塗膜が劣化していきます。
色褪せをそのまま放置しておくと屋根材の基材の傷みにつながります。
色褪せの初期症状を的確にとらえて、早めに塗り替えることで屋根材の耐久性を維持することができます。
また、住宅の外観を美しく保つためにも、定期的な塗装は行いたいメンテナンスです。

ひび割れ

コロニアル屋根は、セメントと繊維質を素材とした薄い板状の屋根材です。
薄さが屋根の軽量化につながる一方で、強風や荷重によるひび割れや反りなどの劣化が起こりやすいといえます。
ひび割れの発生によって屋根の隙間から雨水が入り込み、野地板の腐食や室内への雨漏りにつながる可能性が高くなることも考えられます。
また、表面の塗膜がはがれてコロニアル屋根が水分を含んだり乾燥したりを繰り返すことで、屋根が反ってしまう症状も起こります。
「ひび割れ」や「反り」という劣化症状を早期に発見して補修することで、コロニアル屋根の寿命を延ばせます。

コケや藻の繁殖

コケや藻の繁殖は、ある程度の築年数が経ったコロニアル屋根によく見られる劣化症状です。
屋根材にコケや藻が繁殖している状態は住宅の外観を損ねます。
また、美観的な問題だけではなく、コケや藻を放置していることで屋根材の劣化が進行してしまうのです。

コケや藻が生えると屋根材の水はけが悪くなります。
水はけが悪くなったところへ砂やホコリが溜まるとさらに水は蒸発しにくくなり悪循環に陥ります。
コロニアル屋根に生えたコケや藻に溜まった水は蒸発するまでとどまり、屋根材が湿った状態が続きます。
このように、住宅にとって大敵である水分をため込む原因となるコケや藻の繁殖は、定期的なメンテナンスで取り除く必要があります。

>屋根材と劣化の状況による違いについて詳しく知りたい方はこちら

コロニアル屋根のメンテナンス方法と費用

屋根修繕

コロニアル屋根の主なメンテナンス方法には、塗装の他にカバー工法、葺き替えがあります。
それぞれの特徴や費用について解説していきます。
※金額についてはあくまで相場になります。正確な費用に関しましては現場調査をおすすめいたします。

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ひび、棟などの部分的な補修

コロニアル屋根は紫外線を浴びて表面の防水塗膜が劣化し、ひび割れや欠けが生じます。
ひび割れを見つけたら、まずは専門業者に点検を依頼するのがおすすめです。
屋根の上での作業はとても危険なので、ひび割れを見つけても自分で補修するのは避けてください。

小さなひび割れにはコーキング材などで補修します。
足場を組む必要がない補修は2~4万円程度の費用が目安です。
コロニアル屋根に大きなひび割れや欠けを生じている場合には、「棟(むね)」と呼ばれる部分にも影響がおよんでいることが考えられます。
「棟」とは戸建て住宅の最も高い位置(頂上)に取り付ける屋根部材です。
コロニアル屋根では棟板金が屋根の内部に雨水が入らないように覆っています。
棟板金を固定しているのは釘です。その釘が劣化によって弱っていると、台風などの災害時に棟板金が飛んでしまう可能性が出てきます。
そこで、築10年程度を目安に、棟板金と下地の木材を交換するのがおすすめです。
費用の目安としては10~15万円程度です。

塗装

コロニアル屋根の主なメンテナンスは塗装で、定期的に塗装を行うことで寿命を延ばすことができます。
コロニアル屋根の塗装によるメンテナンスには7つの工程があります。

  1. 1.高圧洗浄 高圧洗浄機を使ってコケや藻、カビなどの汚れを落とします。
  2. 2.養生 塗装を行わない部分をテープやビニールなどで覆って養生します。
  3. 3.下地処理 ひび割れや欠けを補修します。
  4. 4.下塗り 棟板金にはさび止め塗装を、コロニアル屋根には適した下塗り材をムラなく塗ります。
  5. 5.中塗り 実際の屋根の色になる塗料を使って塗装します。
  6. 6.上塗り 塗膜を厚くするため、中塗り乾燥後に同じ塗料を使って塗装します。
  7. 7.縁切り 屋根材が重なっている部分に隙間を作る工程です。塗料が隙間を塞ぐと雨水が排出されなくなります。屋根材の腐食を防ぐためにも重要な工程です。

塗装の費用については、塗料の種類やグレードによって異なります。
以下、塗料ごとの費用目安です。

塗料の種類 m2当たりの単価
ウレタン塗料 1,500~2,000円
シリコン塗料 1,800~2,500円
フッ素塗料 3,300~4,500円

カバー工法

カバー工法とは既存の屋根に新しい屋根を重ねて葺く補修方法です。
既存屋根の撤去をしないため、リフォーム費用がおさえられて工期も短く済むメリットがあります。
さらに、屋根が二重構造になることで断熱や防音の効果も期待できます。

一方、新しく取り付けた屋根の重さの分、住宅の耐震性が低下します。
また、既存の屋根材や野地板まで劣化しているときにはカバー工法は利用できません。
コロニアル屋根のカバー工法の費用は、施工面積や使用する材料などにもよりますが、工事一式で80~140万円程度が目安となります。

葺き替え

コロニアル屋根の葺き替えとは、既存の屋根を撤去して新しい屋根材を設置するリフォーム方法です。
具体的な葺き替えの手順は以下のとおりになります。

  1. 1.足場の設置 屋根の葺き替えは高所作業です。安全確保のための足場を設置します。
  2. 2.既存の屋根材の撤去 屋根材、防水シート、野地板を撤去します。
  3. 3.野地板の設置 屋根材を置くために必要な新しい野地板を設置します。
  4. 4.防水シートの設置 雨漏りから家を守るために防水シートを設置します。
  5. 5.新しい屋根材の設置 葺き替え前と同じ屋根材の使用や、コロニアル屋根から瓦、ガルバリウム鋼板など屋根材を変更できます。
  6. 6.足場の解体 足場の解体と現場の片付けで葺き替え作業が終了します。

屋根の葺き替え費用については、コロニアルからコロニアルへの葺き替えの場合、70~200万円が目安です。

>屋根リフォーム工事の種類ごとの費用相場について詳しく知りたい方はこちら

まとめ

コロニアル屋根とは何なのか、特徴やメンテナンスについて詳しくご紹介してきました。
現在の屋根材の主流であるコロニアル屋根。長く使い続けるためにはメンテナンスも重要であることがわかりました。

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