
ご近所と比べて、自宅の外壁にコケやカビの汚れが目立つと美観を損ない気になってしまいますよね。
「築年数が古いから汚れていて当然」と放置するわけにもいきません。
知識をつけて適切に対処せず放置すると、外壁を傷め、防水性の低下や塗膜のひび割れの原因となることがあります。
簡単な清掃や補修程度で改善できず、大掛かりな修繕が必要になる場合も。
そうならないためにも、早めの対策と日々のお手入れが重要ですので本記事を参考にしてください。
外壁にコケやカビができる原因
▲日当たりが悪い場所はカビが発生しやすいので注意が必要
そもそも外壁にはどうしてコケやカビができるのでしょうか。
同じような時期に建てた家でも、外壁の汚れ具合がそれぞれ異なるのはなぜでしょうか。
ここでは、コケとカビの発生原因について解説します。
塗膜の劣化によって発生しやすい環境に
コケや藻は植物、カビは菌類ですが、どちらも同じような環境を好む傾向があります。
以下に、コケやカビが増えやすい条件や環境について説明します。
コケとカビは、ほんのわずかな栄養分でどんどん増えていくことはご存知かもしれません。
雨などで湿度が上ればすぐに、コケやカビの繁殖しやすい環境ができあがります。
そしてコケ自身も吸水力を持っているため、その水分が徐々に外壁に徐々に浸み込み、さらなる劣化を招いていきます。
特に、古い家屋の外壁は、防水性能が低下すると雨水が染み込みやすくなるため、コケとカビに好都合な環境になりやすいのです。
また、外壁の塗料の耐用年数にもよりますが、短いものでは塗装から5年程度で、防水性能が落ちてくるものもあります。
そのため、塗膜の劣化を原因として外壁の含水率が上がり、コケとカビの発生条件を満たしてしまうのです。
日当たりの悪い場所、湿気の多い場所に注意
また北向きの外壁など、日当たりの悪い側はコケやカビが生えやすいため要注意です。
風通しが悪いと、さらに湿気がこもりがちです。
川や池、貯水池や田んぼなどが近くにある場合も、ほかの場所に比べて湿度は高くなります。
林や森などの大きな樹木が密生しているところでは、地面まで太陽光が届きにくく、常に土が湿っているようなところもあります。
このように、森林や水辺、田畑などに近い空気は水蒸気を多く含んでいるのです。
そうした場所に面している外壁は、常に湿度が高い環境にさらされていると言えるでしょう。
結露が発生する家は注意が必要
また、上記の環境に当てはまらない住宅でも、コケやカビの発生しやすい時期はあります。
梅雨や冬の結露に悩まされている家では、屋外と屋内との温度差が大きくなりがちです。
こうした場合、家の外壁にも結露していることが多いため、コケやカビの繁殖を許してしまいます。
コケやカビができやすい外壁の種類
「うちと同じような環境なのに、どうしてあそこのお家は、外壁が汚れていないのか」、と不思議に思ったことはありませんか。
こまめに外壁の清掃をしているかもしれませんし、塗装を終えたばかりかもしれません。しかし、それだけではなくほかにも理由があります。
それは、外壁の素材や塗装による違いです。
現代ではデザイン性の高いさまざまな外壁が登場していますが、その中にも、コケやカビが繁殖しやすかったり、しづらかったりするものがあるのです。
フラットでつるっとしている素材は、水はけもよく、乾きやすいと言えます。
水分がなく栄養源が付着しづらく、胞子も溜まりづらいためコケやカビも繁殖しづらくなります。
逆に、デコボコしていたりザラついていたりする素材は水はけが悪く、くぼんだ箇所に水が溜まりがちです。
つまり、コケとカビに適した環境を作りやすい素材である、と言えます。
表面がツルツルした素材がおすすめ
コケやカビを予防するのに適した外壁は、金属系のサイディングボード、タイルです。
または、低吸水性タイプのレンガもおすすめです。
一方、デコボコしたサイディングボード、モルタル壁、コンクリート壁、スタッコ塗装、セラミック塗装、リシン塗装などは、コケとカビが生えやすい素材であると言えます。
ザラザラやデコボコのある素材で、さらに耐水性が劣化した外壁を設定されている方は、注意しましょう。
コケとカビの違いとは
先述しましたが、コケや藻は植物、カビは菌類です。
コケは植物なため、生育には水と日光が必要です。
また光合成を行うため、深みどりから黄みどりまで、緑系統の色をしています。
一方、カビは菌類なので、適度な温度と多湿環境がそろい、大気からのホコリなどで栄養も補給なされれば、日光がなくても発生します。
カビは赤、黄、黒、白などの色素を産生する80,000以上もの種類が確認されています。
コケと異なり、緑系統以外の色をしていることが多いです。
外壁のコケやカビの掃除方法
▲定期的に水と柔らかいスポンジで掃除しましょう
外壁に生えたコケとカビは、軽いうちなら除去できる可能性があります。繁殖が進む前に落とすようにしましょう。
とはいえ、ゴシゴシとたわしや硬いブラシなどで力を入れてこすり洗いしてしまうと、外壁やコーティングを傷つけてしまうかもしれあません。
もしコーティングが剥がれればその部分は耐水効果もなくなり、より大きな修繕費用が必要になってしまうことも考えられますので、掃除の仕方には注意しましょう。
そこで以下、基本的な掃除手順を紹介します。
1.外壁にまんべんなく水をかけて、泥汚れなど落とせるものは洗い流します。
2.外壁用洗浄剤などを使い、柔らかいスポンジでやさしくこすり洗いします。
3.洗剤分が残らないよう水をかけて流します。
これで落ちない場合、お風呂のカビ退治に使うカビ取りスプレーや、塩素系漂白剤を使う方法もあります。
しかし、おすすめはしません。なぜなら、外壁の塗装を傷めたり、脱色や変色させたりする恐れがあるためです。
それよりも、外壁専用の洗浄剤などを使った方が安全です。
洗浄剤が目や肌に触れないよう厳重に防護して行いましょう。
ただし、使用できない壁もあるため注意書をよく確認することをおすすめします。
また、高圧洗浄機を使う方法もあります。手の届きにくいところでも、水さえ届けば洗えるため便利な手段です。
しかし家庭用の高圧洗浄機では、出力が弱く、コケを落としきれないこともあるようです。
また、周囲に水が飛び散るため近隣の方の迷惑とならないように使用し、掃除が終わったら日光や風でしっかりと乾燥させるようにしましょう。
業者に依頼した方がよいケースは?
▲頑固な汚れもプロの手にかかればなんのその
例えばコケやカビが、外壁の高所に繁殖してしまった場合、除去作業にはかなりの危険が伴います。
失敗したときのリスクを考えると、自分で対処するよりもプロの業者に依頼した方が安心です。
プロに任せれば、専用機材や足場設置によって、慎重に駆除してもらえます。
また、市販の洗浄剤では落としきれない重度の汚れも、プロの業者ならきれいに落としてくれます。
高圧洗浄する際には、隣家や周囲に汚水が飛ばないよう、しっかりと養生をしたうえで作業を行ってくれるため、迷惑をかける心配もありません。
洗浄完了後に、コケとカビの発生予防策として、割れ目を補修して防水性能を高めてもらうことも可能です。
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塗装も有効!外壁のコケやカビの対処法
▲高所の汚れは落とすのが大変なので塗料で対策しておきたい
住宅周辺の環境を見直す
コケやカビの発生を抑えるために肝要なのは、先述したような、多湿で風通しの悪い環境を作らないことです。
もちろん、森や川、畑に面した場所に住んでいるからと言って、簡単に引っ越すわけにはいきません。
外壁の素材を変えたり、再塗装したり、定期的なメンテナンスをしたり、数年おきのチェック・修繕を怠らないようにしましょう。
古い外壁については、塗装の耐用年数を過ぎて問題が生じてしまう前に、適切に対処することをおすすめします。
塗装時に使用する塗料で対策
コケやカビができやすい環境なら、ツヤあり塗装を使うことも視野に入れましょう。
外壁に使う塗料の種類は、「ツヤあり」と「ツヤ消し(ツヤなし)」に大別されます。
ツヤありでは、ピカピカと光沢ある仕上がりになり、逆にツヤ消しは、光沢を抑えた仕上がりになります。
コケとカビを防ぎたいなら、ツヤありが効果的です。
ツヤありは、デコボコがなく滑らかな外壁になるため、撥水性が高く、汚れも溜まりにくくなるのです。
つまり、コケとカビの好む環境ができにくく、外壁自体も長持ちします。
それに対して、ツヤ消し塗料の中には、光沢を抑えるために、外壁表面をデコボコさせる材料が混ぜ込まれています。
塗られると、外壁表面で光を乱反射させ、ツヤをなくす仕組みです。
したがって、そのデコボコに湿気や汚れが溜まりやすくなってしまいます。
このように、ツヤあり塗装はコケ・カビ対策に効果的です。
しかしデザインを重視した外壁に塗ると、重厚感や高級感が失われてしまう、というデメリットもあります。
機能付きの塗料も検討の余地があります
加えてさまざまな、コケ・カビ予防に有効な塗料があります。
その中でも注目されている塗料が「光触媒塗料」です。光触媒塗料は、セルフクリーニング効果を持つ特長があります。
光触媒塗料を使った外壁は、ホコリやチリを寄せ付けにくく、排気ガスなどの大気汚染物質を分解する力を持ちます。
分解された汚れは外壁表面に浮かび上がり、次回の雨で流されるというシステムです。
画期的な塗料ですが、そのぶん価格が高額となることはネックかもしれませんが塗料選びの候補として考えておくと良いでしょう。
以上、外壁のコケやカビでお悩みの方に、原因や対処法を紹介しました。
高所や手の届かない広範囲に汚れが及ぶ場合は、プロに任せる方がおすすめです。
クリーニングを定期的に行うか、汚れがつきにくい塗装を行うかの判断自体も、素材や塗料の種類、周辺環境、外壁の面積によって左右されます。
迷ったときは、実績のある業者に一度相談してみることをおすすめします。
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