屋根の補修をDIYでする方法 プロの修理が必要な状態の見極め方

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屋根の補修をDIYで行えないかと考える人は多いでしょう。屋根の補修では、自分でできる場合もあれば、修理業者に任せたほうがよい場合もあります。どの程度ならDIY補修が可能なのか、またさまざまな屋根材ごとの補修方法、そして補修時の注意点などをご紹介します。
目次
この記事の監修者
矢野友也

矢野友也
三和ペイント株式会社
品質管理部 主任

2015年新卒入社。4年間営業職として直接お客様と関わる。現在は営業経験で培ったノウハウを活かし、品質管理部主任としてお客様満足度や施工品質の向上に従事。日々お客様よりいただくアンケートすべてに目を通し、生のお声を元に社内での営業教育や施工PT教育に力をいれております。

2015年新卒入社。4年間営業職として直接お客様と関わる。現在は営業経験で培ったノウハウを活かし、品質管理部主任としてお客様満足度や施工品質の向上に従事。日々お客様よりいただくアンケートすべてに目を通し、生のお声を元に社内での営業教育や施工PT教育に力をいれております。

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台風や竜巻の突風などで屋根に被害を受けた場合、速やかに適切な処置をしないと、雨漏りや建材の腐食・サビなどに発展する恐れがあります。
とはいえ、自然災害で甚大な被害が出た場合は、修繕工事を頼みたくてもなかなか業者の予約が取れないこともあるでしょう。

軽い補修程度であれば、十分な安全対策が取れるなら自分で対応できる場合もあります。
そこで今回は、DIYによる屋根の補修方法について解説します。

屋根の補修・修理の種類

屋根の修理では、全体修理が理想とはいっても、部分補修だけで済むならそれに越したことはありません。
また、急場しのぎで一時的に雨漏りを防ぎたいという場合もあるでしょう。

まずは、部分補修と全体修理についてそれぞれ解説します。

屋根の部分補修とは

「部分補修」とは、屋根の一部だけに問題が起きた場合の修繕方法です。
部分的に補修をすれば、当面は問題なく生活できるだろうという予測のもとに行われます。

ただし、一部だけの損傷でも、被害が建物全体に及ぶ状況では、部分補修ではなく屋根の全体修理が必要になる場合もあります。
それらを踏まえ、部分補修の主な例を見ていきましょう。

まず、スレート屋根の一部が破損した際の、コーキング補修が挙げられます。
欠けや割れを取り除いてきれいにしたあと、雨水などが入り込まないようにコーキング剤ですき間を埋めます。
その上から新しい屋根材に差し替え、元通りに設置して完了です。

新しい屋根材が一部だけ目立ってしまいますが、この方法だと補修費用を安く抑えられます

瓦屋根の場合は、部分的な瓦の欠けや割れなら、該当箇所だけを新しい瓦に交換することで補修できます。
状態によっては、下地の漆喰を補修する必要もあるでしょう。
漆喰は劣化するとぼろぼろに崩れ、雨漏りや瓦のズレなど、さまざまな悪影響が出ます。
その場合、古い漆喰を除去し、新たに適量を塗り込み、整えて乾燥させましょう。

この方法も、一部の補修だけで済むなら比較的安価です。
ただし、漆喰を多く塗りすぎると、かえって雨漏りの原因になることがあるため要注意です。

屋根の全体修理とは

「全体修理」とは、屋根の全面を修理する大掛かりな工事のことです。
屋根材の耐用年数を超えて傷みが目立つときや、大きな雨漏りが見られるときなど、全面的な改修を要する場合に行われます。
また、築年数の古い住宅を全体リフォームなどでも、屋根全体を新しくすることがあります。

なお、一口に「全体修理」といっても、表面的な作業で済むこともあれば、屋根材をすべて交換したり、既存の屋根に被せたりなど、施工方法はさまざまです。
それにより、修理にかかる日数や部材、施工費用も大きく異なります。

カバー工法(重ね葺き)

一般的に日数も費用もあまりかからない方法が、「カバー工法」です。
今ある屋根を残したまま、その上に新しい屋根を被せる方法で、「重ね葺き」とも呼ばれています。

現在の屋根を解体しないため作業時間が短く、廃材の処分費用もかかりません。
室内からの作業は不要で、塗料のにおいも発生しないため、普段と変わりなく生活できるのもメリットです。

業者に依頼した場合、屋根の面積にもよりますが施工期間は約7日~10日程度になります。

塗装

今ある屋根に新たに塗装を施すことで、さらに屋根材の寿命を延ばす方法もあります。
屋根は常に日差しや雨風、雪などにさらされ続けているため、どうしても経年劣化を避けられません。
それを防ぐのは塗装ですが、その効果も永久的ではないため、定期的な再塗装も必要です。

塗装で屋根材を保護すれば、防水性や耐候性、遮光性、断熱性をアップできます。
選ぶ塗料や面積によって費用は異なります。

業者に依頼した場合、屋根の面積にもよりますが施工期間は約11日~14日程度になります。

葺き替え

屋根材をそっくり新しいものに交換することを「葺き替え」といいます。
今ある屋根をすべて撤去して、下地の補修でしっかりと雨漏り対策を施してから、新しい屋根材へ葺き替えましょう。

屋根材の軽量化や遮熱・断熱性の強化、地震によるダメージ軽減など多くのメリットがあります。
そのぶん、工期は長く費用もかかりますが、今後長く住む予定の家なら、長い目で見ればお得な方法と言えるでしょう。

また、屋根材を変えることでイメージがガラッと変わるため、同時に外壁リフォームを行う人も多いようです。
足場や養生にかかる費用が一度で済むため、別々に依頼するよりもお得なのでしょう。

業者に依頼した場合、屋根の面積にもよりますが施工期間は約8日~12日程度になります。

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屋根の素材と修理方法

ここでは、主な屋根材の種類とその特徴をご紹介します。
葺き替えを検討する際は、ぜひ参考にしてみてください。

スレート屋根

一般的な建物の屋根材に多く使われているのが、「スレート」です。
天然のスレートは、粘板岩などを薄く加工した板で、機能的かつ見た目がおしゃれな素材です。
しかし、希少性があり高価なため、あまり一般家庭には普及していません。

また、天然スレートを模して、セメントとほかの素材を混ぜて作られた「化粧スレート」というものもあります。
天然スレートと比べて安価ながら、おしゃれで薄く、軽量で施工もしやすいため、雪害のない地域で広く使われています。

化粧スレートの耐用年数は、10~15年と言われています。
商品によっては15~20年程度もつものもあるようですが、そのぶん価格は高くなります。
ただし、気象条件や立地により、耐用年数は変化することがほとんどです。
化粧スレートが劣化した場合に見られる症状は、主に塗装の剥がれ・ひび割れ・反りなど。スレートを保護する表面の塗装が剥げるほど、劣化スピードは加速していきます。

瓦屋根

瓦屋根は、古風な日本家屋に多く見られる屋根材です。
一口に瓦といっても、素材は粘土やセメント、陶器、金属などさまざまです。
素材により耐用年数は異なりますが、一般的に実用に耐えうるのは30年程度と言われています。

瓦屋根は頑丈な反面、重量がとても重くなるため、しっかりとした造りの建物でなければ支えきれません。
もっとも、近年では軽量でデザイン性のある洋瓦も登場しています。

なお、瓦は強風で飛ばされたり、地震で崩れたりすることがあるため、落ちる場所によっては危険を伴います。
また、劣化によるヒビ割れや、下葺材や漆喰の剥がれ・崩れなどにも注意が必要です。

トタン屋根

トタン屋根は、かつて日本各地の一般住宅で使われていましたが、現代では新築の住居に使われることはほとんどなくなりました。
一方、最も安価な金属製の屋根材として、ガレージや倉庫、プレハブなどでは今も使われています。

トタンの耐用年数は10~20年程度と言われています。しかし塗装は剥がれやすいため、サビが出やすい難点も。
トタンは亜鉛メッキでできており、一箇所でもサビが生じると、適切にメンテナンスしない限り、どんどん広がります
そのうち穴が空いて、雨漏りに発展してしまうでしょう。
また、台風などであおられて、トタンがめくれ上がった例もあります。

ガルバリウム

ガルバリウムも金属で作られた屋根材です。
「ガルバリウム鋼板」とも呼ばれ、同じ金属のトタンよりもサビや穴空きに強い特徴があります。
耐久性も従来のトタンより長く、耐用年数は約15~25年。

デザイン性にも優れるため、屋根だけでなく外壁としての需要も高い素材です。
多くのガルバリウムメーカーでは、金属屋根の弱点でもある断熱性や遮音性、対結露性を高めた製品を開発し、長期保証をつけています。

不具合としては、経年劣化や施工不良によるサビの発生が挙げられます。
また、台風などで倒壊したテレビアンテナが塗装を傷つけたことにより、サビが発生する例もあります。

ちなみにここまで紹介した屋根の修理にかかる費用の相場はこちらの記事で詳しくご紹介していますので参考にしてください。
>【2023年版】屋根修理の費用相場 見積もりが適正かをチェックする方法も解説

屋根の補修をDIYでする方法とリスク

小さなヒビや傷程度でも、放置しておけば被害の拡大する恐れもあります。
屋根に上がれるなら自分で直せないかと考える人もいることでしょう。ここでは、DIYによる屋根の補修方法とリスクについて解説します。

DIYによる屋根補修の方法

DIYで対応できる例としては、瓦に生じたヒビや傷の補修が挙げられます。
このケースでは、ヒビが入った瓦をそっと取り外し、表面をきれいにしてから防水テープや防水シートを貼る方法が簡単です。

ほかには、コーキング剤で傷を埋めたり、パテで接着したりする方法もあります。
いずれもホームセンターなどで簡単に購入できるため、瓦の素材に合ったものを選びましょう。
よく乾いたら、ずれないよう元の場所にはめ込んで終了です。

下地材にさえ異常が見られなければ、これらの方法で安価に急場をしのげるでしょう。
補修が難しい場合は、瓦を新しいものに交換したほうが早いかもしれません。

DIYのリスクとは?

軽微な補修ならDIYで済むこともありますが、実際のところ、あまりおすすめはできません。
高い屋根に上る場合、プロの業者でも徹底した安全対策をとったうえで、作業を行います。

万全な対策や装備を揃えられない一般の方では、リスクが大きすぎます
ゆえに2人以上での作業が必須となりますが、見守りや人手が多ければ絶対安全というわけでもありません。

実際、過去には屋根の汚れやコケで滑落したり、屋根を踏み抜いたりした落下事故の事例があるのです。

また補修した結果、劣化具合によっては修理箇所以外にも不具合や被害が及んだり、それにより火災保険の補償適用外になったりする可能性もあるなど、DIYにはさまざまなリスクがついて回ります。
一見手軽で費用も安く抑えられそうに思えますが、これらの理由から、DIYでの補修には十分な検討が必要でしょう。

プロに修理を依頼するべき状態の見極め方

DIYで対応できるのは、瓦の一部にヒビ割れや欠けがあるなど、ごく狭い範囲かつ軽微な損傷に限ります。
大きく生じたヒビ割れや瓦のズレ、パテやコーキングなどによる広範囲の補修、漆喰の塗り直しや塗装剤の剥がれなどは、プロの業者に依頼することをおすすめします。
また、高所での作業に慣れていない人や、失敗したくない人なども同様に、無理せず専門家に任せたほうがよいでしょう。

軽度の損傷であれば、DIYによる屋根の修理は可能です。
しかし、だからといって安直にDIYで何とかしようと考えるのは早計でしょう。
作業時の安全性やリスクなども考慮しながら、自分で対応可能な範囲かどうか見極めることが大切です。

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