外壁塗装の塗料の種類と特徴 単価や耐用年数などのデータと選び方も解説

外壁塗装で用いる塗料の種類や特徴について説明します。単価や耐用年数だけではなく、塗料を構成している成分や塗料選びのコツなども詳しく解説しているので、これから外壁塗装リフォームを行う人はぜひ参考にしてみてください。
目次

新築を購入して10年ほど経過すると、外壁の汚れや傷などが目立ちはじめます。
住宅を維持するためには適切な時期に外壁塗装を行う必要がありますが、塗料の選び方がわからず悩んでしまう人も多いようです。
この記事では、塗料の種類や費用、特徴、耐用年数などを説明します。
塗料を選ぶポイントにも触れているので、これから外壁リフォームを行う人はぜひ参考にしてみてください。

 

外観だけじゃない!外壁塗料の役割

外壁塗装リフォームは、外観の美しさを保つ以外にもさまざまな役割があります。外観以外に遮熱・遮断、防汚、耐久性の向上などが挙げられます。

遮熱・遮断とは、壁の表面温度を下げて部屋の温度上昇を抑えたり、熱が家の外に逃げないように保温したりすることで、住宅を快適な温度に保つ機能です。

防汚は建材表面の汚れをつきにくくしたり、汚れが付着しても落ちやすくできたりするなど、建材を長持ちさせることにつながります。

耐久性の向上は、雨や湿気、衝撃などから壁面を守り、雨漏りやひび割れといったトラブルを防ぎます。
壁だけではなく、家全体の寿命を延ばすことにもつながるため、適切な時期に外壁塗装リフォームを行うことはとても大切です。

 

塗料に使われる4つの材料

塗料は、顔料・合成樹脂・希釈材・添加剤の4つの材料で構成されています。
ここでは、それぞれの役割とどのような種類があるのかについてご紹介します。

顔料

顔料は色付けに用いる粉末で、塗料の色や艶などを決定する成分です。
外壁塗装リフォームに用いる色材はさまざまな種類がありますが、中でも水や油に溶けないものを顔料と言います。

顔料は無機顔料と有機顔料の2つに分けられ、それぞれ異なる特徴があります。
無機顔料は鉱物や土、金属などから作られ、高い耐光性が魅力です。
シンプルな色合いが多く、紫外線に強いため長く使用できるでしょう。

一方、有機顔料は石油や植物、動物などから作られており、豊富なカラーバリエーションがあります。
「鮮やかな色に塗装したい」「たくさんの色から好きなものを選びたい」という方には好まれますが、中には耐光性が弱い塗料もあるため、注意が必要です。

合成樹脂

合成樹脂は、塗料の耐久性や品質、グレード、価格などを左右する成分です。
どの合成樹脂を選ぶかによって塗料の耐久年数が決まるため、塗料選びで最も重要なパートです。

主な合成樹脂はアクリル、ウレタン、シリコン、フッ素などがあります。
アクリル、ウレタンは値段が安く、その分耐用期間も短い塗料です。現在多く使われているのはシリコンで、良心的な価格と高い耐久性に定評があります。
フッ素はシリコンを超える耐久性があり、お手入れに手間や費用がかからないハイグレードの塗料です。

同じ樹脂でも多くの商品があり、それぞれ特徴が異なります。メンテナンスサイクルや価格などを考慮して、自分の住宅に合った塗料を選びましょう。

希釈材

希釈材とは、塗料を薄めて扱いやすくしたり、仕上がりを調整したりする溶剤のことです。
塗料は、希釈材の種類によって水性・油性に分類されます。
水で希釈できるものを水性塗料、シンナーで希釈するものを油性塗料と言います。

水性塗料の特徴は、臭いが少なく手軽に扱えることです。
「近隣との間が狭く苦情が心配」「臭いに敏感な小さい子どもがいる」といった場合でも、安心して使用できます。
しかし、気温が低い時期は乾燥しにくく、施工期間が長くなるので注意しましょう。

油性塗料の特徴は、高い耐久性です。
また、どんな素材でも施工でき、下地を塗っていない箇所や金属部分にも塗装できます。
温度や湿度に関わらず早く乾燥するため、施工期間を短縮したい人にもよいでしょう。
しかし、油性塗料はシンナーの強い臭いがあるため、近隣への十分な配慮が必要です。
価格も油性の方がやや高いため、壁全面に使うのではなく、特に耐久性を高めたい箇所に部分的に使用するケースも多く見られます。

添加剤

添加剤とは、塗料にさまざまな機能を追加する成分です。
例えば、塗膜をマットな仕上がりにする艶消し剤、塗料の粘度を上げて流れ落ちを防ぐタレ防止剤、顔料を混ぜた時に発生する色むらを防ぐ色別れ防止剤、塗膜の劣化を防止する防腐剤・防カビ剤などがあります。
ほかにも多くの添加剤があり、メーカーや商品によって効果が異なる場合があるので、塗装前に業者に機能を確認しておくと安心です。

 

外壁塗料の種類

塗料の種類によって、耐用年数や価格、メリット・デメリットなどは異なります。
塗料ごとの特徴を押さえれば、どんな住宅にどの塗料が適しているのかが分かるはずです。
ここでは、外壁塗装リフォームでよく使用される人気の塗料をまとめました。

アクリル塗料

外壁塗料の中で最も価格が安いのが、アクリル塗料です。
1㎡あたり1,500円前後で施工でき、耐用年数は5~7年ほど。安価で気軽に塗装できますが、紫外線に弱いため頻繁にメンテナンスが必要です。
カラーバリエーションが豊富で扱いも簡単なので、現在はDIYリフォームなどで多く利用されています。

ウレタン塗料

ウレタン塗料は、アクリルの次に低価格な塗料です。
1㎡あたり2,000円前後が多く、耐用年数は8~10年ほどです。
シリコン塗料やフッ素塗料の開発によって現在は減少傾向にありますが、かつては多くの住宅で使われていました。

塗り替え費用を抑えるために、塩化ビニールや木材の補修など部分的にウレタン塗料を使用するケースもあるようです。
ウレタン塗料は弾力性に優れているため、モルタル塗りなどひび割れしやすい壁に使うと、耐久性をアップしてくれます。

しかし、紫外線で変色しやすいため、屋根や外壁に使用すると劣化が早くなる傾向があります。
耐用年数より早く寿命が来ることもあるので、注意しましょう。

シリコン塗料

シリコン塗料は、費用が安く高い耐久性を持つため現在主流の塗料です。
1㎡あたり2,500〜3,000円で、耐用年数は10〜15年ほどです。
塗膜が硬く、撥水性や防汚性に優れているのが特徴で、塗りたての美観も維持しやすいと言われています。
どのような壁にも扱いやすいため、迷ったらシリコン塗料を選ぶとよいでしょう。

フッ素塗料

フッ素塗料は、シリコン塗料よりも高い耐久性があるハイグレードの商品です。
1㎡あたり3,500〜5,000円と高額ですが、15〜20年ほどの耐用年数があります。
親水性があり、自然に汚れを落としてくれるのでメンテナンスの手間がかかりません。
そのため、住宅だけでなくビルや商業施設などの大規模な建築物にもよく使用されています。

しかし、フッ素塗料は一度塗装すると重ね塗りができません。
塗り直す際は専用の下地が必要なため、2回目以降の塗料はさらに費用が膨らむこともあります。

ラジカル塗料

ラジカル塗料は、2015年に発売されたばかりの新しい塗料です。
1㎡あたり2,500〜4,000円で、耐用年数は8〜16年ほどとシリコン塗料と並ぶ耐久性があります。
価格はシリコン塗料よりもやや高めですが、同レベルのコストパフォーマンスを持つ塗料として近年注目を集めています。
低価格で性能のよい塗料を探している人におすすめです。

しかし、ラジカル塗料は発売されたばかりの製品なので、扱っている業者があまり多くありません。
すべてのリフォームで施工できるわけではないので注意しましょう。

セラミック塗料(断熱塗料/遮熱塗料)

セラミック塗料とは、樹脂に砂利や砂、セラミックビーズなどを混ぜ込んだ塗料のことです。
1㎡あたり2,300〜15,000円と幅広く、天然石を用いている場合は高額になる傾向です。
耐用年数は10〜20年ほどで、どの樹脂にセラミックを混ぜたかによって異なります。

セラミック塗料は断熱・遮熱機能があり、夏の暑さや冬の寒さを軽減するのにも役立ちます。
しかし、外壁塗装のみで住宅の断熱性すべてをカバーするのは難しいため、もともと断熱材などを使用している住宅に補助的な役割で使用するのがおすすめです。

セラミック塗料はメーカーごとに異なる方法で商品を作っているため、性能や耐久性には、ややばらつきがあります。
悪徳業者がセールスで使用することもあり、注意が必要です。

光触謀塗料

光触媒塗料は樹脂に特殊な触媒を混ぜ込んでおり、太陽の光に当たると化学反応を起こし、壁面に付いた汚れを洗い流します。
費用は1㎡あたり4,000〜5,500円で、耐用年数は10〜20年ほどです。
リフォーム費用は高額ですが、メンテナンスにコストがかからないので長期的にみるとお得なケースも多いことが特徴です。
紫外線によって自浄作用が生まれるので、日当たりのよい住宅は光触媒塗料の効果を感じやすいでしょう。

無機塗料

無機塗料とは、ガラスや鉱物、レンガなどの無機物を含む塗料のことです。
1㎡あたり4,000〜5,000円で、耐用年数は10~25年前後と耐久性に優れています。
不燃性もあるため、万が一火事が起きても安心です。
「高い耐久性の家にしたい」「防火性にもこだわりたい」といった人に好まれている塗料です。
しかし、無機塗料は非常に塗膜が硬いため、ひび割れをしやすい外壁に使用すると一緒に割れてしまうこともあります。

ナノテクノ塗料

ナノテクノ塗料は、樹脂の含有量を最小限に抑えた塗料です。
CO2排出量を削減し、環境に優しい塗料として注目されています。
塗装費用は1㎡あたり2,500〜5,500円で、耐用年数は10~15年前後です。
光触媒塗料と同じくセルフクリーニング機能を持ち、防汚性に優れています。省エネリフォームを行いたい人や、メンテナンス性の高い住宅にしたい人にはおすすめです。
取り扱っている業者が少ないため、業者選びは慎重に行いましょう。

 

家にぴったりな外壁塗料を選ぶポイント

外装に使う塗料は種類が多く、住宅に適している塗料を正しく選ぶのは難しいものです。
ここでは、失敗しない外壁塗料の選び方を説明します。
「業者から提示された塗料の選び方がわからない」「いくつか候補が決まったものの悩んでいる」という人はぜひ参考にしてみてください。

家の状況を把握する

住宅に合った塗料を選ぶポイントは、家の状態や外壁の状態・材質などをよく知っておくことです。
業者との打ち合わせ時に住宅の築年数や大きさ、地形、外壁の状態・材質などをよく確認してもらいましょう。
「どこの箇所にどんなトラブルが起きているか」「外壁の材質に合った塗料はどれか」など、塗料の性質を比較するだけでなく、住宅に必要な塗料を見極めることが大切です。

費用で選ぶ

外壁塗料を選ぶコツは、長い目でトータルコストを考えることです。
アクリル塗料やウレタン塗料は一回の塗装代は安く済みますが、メンテナンスサイクルが短いため頻繁に塗り替えが必要で、かえって費用が膨らむこともあります。
高額なフッ素塗料の方がメンテナンスに費用がかからず、お得になるケースが多いといえます。

とはいえ、なるべく一度の塗装にかかる出費は抑えたいものです。
「費用をかけずに、耐久性のある塗料を使用したい」「コストパフォーマンスのよい塗料を探している」といった人にはシリコン塗料がおすすめです。
現在主流となっている染料で、多くの施工例があるため失敗も少ないでしょう。

業者選びが重要

業者選びは、塗装リフォームの仕上がりを左右する大切なポイントです。
塗装会社によって、扱っている塗料や得意な施工などが異なります。
最初から1社に絞らず、複数の業者に見積もりを依頼しましょう。

相見積もりを行う際は、必ず条件を揃え、希望やイメージをずらさないことが重要です。
2〜3社を目安に依頼し、見積もり金額や会社の雰囲気、得意な施工や過去の実績などを比較していきます。
安ければよいというわけではなく、「相場に見合った金額か」「こちらの質問に誠意を持って答えてくれるか」などを総合的に判断するのがポイントです。

 

外壁塗装は3回塗りがマスト

外壁塗装は、必ず3回塗りを行います。
1回目の塗装は、塗料が密着しやすいように古い壁を修復する旧膜訂正という作業です。
塗装の剥がれやすさを決定する重要な工程なので、下塗りを丁寧に行ってくれる業者なら信頼に値するでしょう。

中塗り、上塗りでは同じ塗料を使用し、ムラがないようにまんべんなく塗っていきます。
中塗りを省くと均一な仕上がりにならないため、重ね塗りが必要です。
しかし、素人が一見しただけではきちんと3回塗られているか判断がつきにくく、中には工程を省く悪徳業者も存在するため注意が必要です。
打ち合わせ段階で塗装の省略を提案された場合は、すみやかに別の業者に依頼しましょう。

 

外壁で使用する塗料は複数の要素で構成されており、それぞれに異なる特徴があります。
それらをよく理解し、適した塗料を選ぶことが大切です。
迷った時は価格や耐用年数、グレードを左右する合成樹脂に着目するのもよいでしょう。
築年数や施工範囲、壁の材質、ヒビ割れなどの状態もよく確認し、住宅に合った外壁塗装を行えれば理想的です。

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