外壁材のサイディングボードとは?種類、費用相場、補修方法を解説

「サイディングボード」とは、外壁に貼り付けるパネル状の外壁材をいいます。施工しやすく耐久性も高いことから、多くの木造住宅に使われています。工場生産のため品質が安定しており、近年では素材やデザインのバリエーションも増えてきています。当記事では、サイディングボードの耐用年数や価格、リフォームの費用目安などをご紹介します。
目次

「サイディングボード」とは建物の外側に張る外壁材のことで、木造住宅の外壁に多く採用されています。
建築・不動産関係に携わる方や、DIYに親しみのある方にはお馴染みの建材ですが、リフォームの打ち合わせなどで初めて耳にする方も多いのではないでしょうか。
サイディングには窒業・金属・木質・樹脂系の4種類があり、価格や耐用年数、リフォームの方法が異なります。それぞれの特徴を解説しますので、サイディング選びの参考にしてください。

 

外壁材サイディングボードの基本情報

外壁材で圧倒的シェアを誇るのが、サイディングです。
まずはその概要と、メリット・デメリットについて詳しく解説します。

サイディングボードとは?

工場で板状に成形したサイディングを「サイディングボード」と呼びます。
あらかじめ施工現場で採寸したデータを元に、加工工場でプレカット(切断加工)し、そのまま現場に搬入します。
施工前に微調整することはありますが、ダクト穴や開口部まで加工されたサイディングが届くので、施工は容易です。

ひと昔前は、厚さ12mmの製品を釘留めで施工するのが主流でしたが、今は15~16mmが標準仕様となり、耐用年数や耐震性がアップしました。
専用の「サイディング留付金具」を下地材に打ち込み、防水性と気密性を保つために、ジョイント(継ぎ目)部分に伸縮性のあるシーリング材を充填します。
仕上げに塗装を施し、サイディングボードの外壁が仕上がります。

外壁タイルや塗り壁と比べてどう?サイディングボードのメリット

モルタルの場合は、現場で水・砂・セメントを調合して網目状の金属下地に塗っていく必要があり、レンガは職人が1つずつ積み上げるなど、どちらも手間が掛かります。
一方、サイディングボードはすでに製品化されているので、ほかの外壁材と比べて施工に手間がかかりません。
むしろ、現場で施工する技術よりも、建材そのものの性能が仕上がりに大きく影響します。

社団法人日本サッシ協会「2020年3月版『住宅用建材使用状況調査』の概要(2020年5月1日)」によると、使われている外壁材の割合は「サイディング合計」で90.6%、過去に主流だったモルタルは5.8%と、サイディングへの移行は明らかです。

サイディングはシェア率が高いため、必然的にデザインや素材など商品のバリエーションが増える傾向があります。
さらに、施工する業者も競合するため、施工コストも下がります。現在は雨によって汚れが流れ落ちる、セルフクリーニング機能付きの商品が一般的です。

劣化が早い?サイディングボードのデメリット

サイディングに限った話ではありませんが、外壁は経年劣化により色褪せ、徐々に防水効果を保てなくなります。
表面の塗装が剥げたまま長期間放置すると、躯体にまで劣化が及ぶ可能性もあるので、耐用年数に応じて適切なメンテナンスが必要です。

もう1つのデメリットとして、サイディングのデザインは年々向上していますが、外壁タイルや塗り壁で仕上げた外観に比べると、やや重厚感に欠けることもあります。
デザイン重視で予算に余裕があるなら、ほかの外壁材を検討してみましょう。

 

サイディングボードの種類

サイディングは、大まかに「窒業系」「金属系」「木質系」「樹脂系」の4種類に分けられます。
ここでは、それぞれの特徴をわかりやすく解説します。

窯業系サイディングボード

セメントに繊維質原料を混ぜて高熱処理を施した、軽量かつ強度のある外壁材です。
日本窯業外装材協会「戸建住宅市場における外壁材素材別シェア(平成30年調査/令和元年発行)」によると、戸建て住宅で使われているサイディングのうち、78.3%という高いシェア率を誇ります。

色や質感など多種多様で、レンガ・タイル・石積み調などさまざまなデザインから選べます。
最近では、汚れにくいコーティングを施した製品もリリースされています。
1㎡あたり3,000~4,000円程度と比較的リーズナブルですが、デザインや性能によって価格は上下します。

金属系サイディングボード

成形・エンボス加工を施した金属板と、裏打材で構成された外壁材です。
近年では、金属系サイディングの中でも、アルミや亜鉛を鉄に被覆させたガルバリウム・アルミニウム・ステンレス鋼板がメジャーになりつつあります。

窒業系サイディングに比べて重さは3分の1程度、約5倍の断熱性能を持ち、メンテナンスサイクルも長めです。
昔ながらのトタンをイメージしがちですが、タイルやレンガ調デザインも存在し、金属らしいシャープな印象がモダンテイストの住宅に多く選ばれています。
高性能ゆえ、価格帯はやや高額な傾向があります。金属の素材にもよりますが、1㎡あたり4,000~5,000円ほどかかります。

木質系サイディングボード

天然木に塗装を施し不燃処理したサイディングで、木材の呼吸を妨げないよう炭化処理してあります。
1㎡あたり6,000円~と、窒業系に比して高価なうえ、水に弱いためメンテナンスサイクルも短いなど、手間の掛かる外壁材です。

しかし、本物の木を使用しているため環境に優しく、木目や色のバラつきが温かみのある外観に仕上げてくれます。
樹種も豊富なので、木材ならではの風合いを出したい方におすすめです。
明るめならナチュラルに、濃いめならモダンなテイストに仕上がるでしょう。

樹脂系サイディングボード

北米ではシェア率50%を超える、塩化ビニル樹脂製のサイディングボードです。
日本では、1996年から販売開始されました。
弾力性と防水機能が高いため、風雨が強く凍害のある寒冷地を中心に多く採用されています。

素材が丈夫で、シーリング材を使用せずに施工するため、メンテナンスサイクルの長さはサイディングの中でもトップです。
重さは窒業系サイディングの約10分の1ですが、音を通しやすい素材なので、防音を優先したい方には向きません。
また、1㎡あたり9,000円前後とかなり高額なうえ、日本では施工実績がまだまだ少ないことも難点です。

 

マイホームに合うサイディングボードの選び方

サイディングは種類が豊富なので、どれを選べばよいか迷ってしまう方は多いはずです。
重視したいポイントから取捨選択すれば、自分にぴったりのサイディングが見つかります。

色・デザイン重視で選ぶ

好みの外観に仕上げたいなら、バリエーション豊富な窒業系サイディングのカタログを閲覧してみてください。
柄はストライプや木目、タイル、レンガ、石、岩、幾何学などさまざまです。

なお、光の反射によって雰囲気が変わるため、色選びには注意が必要です。
サンプルに触れて質感を確認し、太陽光の下でどのように見えるかチェックしておきましょう。
お近くの展示場や工務店に一度足を運ぶか、同じ素材を使った施工済みの住宅を見させてもらうのもおすすめです。

価格重視で選ぶ

シェアトップの窒業系サイディングが比較的安価な傾向があります。
デザインはシンプルなもの、ホワイト系やグレー系など人気色からチェックしていきましょう。
高品質な基剤や塗装を施した製品は必然的に高くなるので、メーカーの選定も重要です。

耐久性重視で選ぶ

耐久性やメンテナンスの手間などを重視するなら、金属系がおすすめです。
しかし、地域の気候によって適した素材も異なるので、まずはお近くの外壁施工実績が多い工務店にヒアリングしてみましょう。
「湿気が多く、カビや藻の発生リスクがあるエリアなら、セルフクリーニングに定評のあるメーカーや凹凸の少ないデザインを選ぶ」「塩害のある地域なら金属系サイディングを避ける」など、ケースごとに適不適があります。
サイディングは、メーカー各社が表面に機能性の高い塗料を塗ることで付加価値を生み出しているので、各社のホームページをチェックし、最新の製品情報を入手してみてください。

 

サイディングボードの塗装と費用

サイディング外壁には、定期的なメンテナンスが必要です。
ここでは、サイディングボード表面に施す塗装の種類やサイクル、費用についてご説明します。

サイディングボードの塗装時期の目安

窒業系サイディングでは、一定の吸水性がある素材を使用するため、防水性に優れた塗料を用います。
また、金属系サイディングは防水性に優れる一方で、経年劣化やキズによってサビが生じやすいため、耐用年数の高い塗料が適切です。
このように、選んだ素材や気候によって、塗料の種類やメンテナンスサイクルは変わりますが、いずれも10年前後を目処に検討してみてください。

また、塗装のタイミングを見極めるポイントはいくつかあります。
「シーリング部分に縮みや剥がれが見られる」「壁面を手で触ると白い粉が付着する」「外観が全体的にくすんでいる」などの症状が見られたら、劣化が進んでいる証拠です。

サイディングボードの塗装費用

塗装する面積や建物の高さにより、価格は上下します。
一般的な戸建ての塗装価格は60~120万円前後、1㎡あたり5,000円〜1万円が相場です。
工事費の内訳項目には足場代・高圧洗浄代・現場養生費・シーリング材・塗料代・廃棄物処理費などが含まれます。

一番割合が高いのは塗料代で、主にアクリル・ウレタン・シリコン・フッ素などの種類があります。
それぞれ耐用年数と価格が異なり、耐用年数15~20年のシリコン系塗料などは、施工費用の約7割をも占めることがあります。

 

外壁材の中で圧倒的なシェアを占めるサイディングは、デザイン性・施工性ともに優れています。
既製品のため工期が短く、コストを抑えられるのがメリットです。
今後はセルフクリーニング機能に加え、抗菌や断熱など付加価値の高い商品展開が見込まれるでしょう。

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